新社会人にとってマイカー生活は夢のまた夢? 「東京都内・ひとり暮らし」でいくら必要か計算してみた (2/2ページ)

リースやローン、サブスクなどを利用して購入するのも手

 次に、ナンバープレートと車検証をもらうための「登録費用」。これも自分で行えば費用は1400円のみですが、書類が煩雑でわかりにくく、陸運局での所要時間も長いため、代行をお願いするほうが確実かと思います。ディーラーでは2万円〜3万円の手数料を設定しているところも多いので、民間の代行サービスを利用するのも一つの手。そうすると1万円程度で行えることがあります。ただ今回は、最低費用の1400円で計算します。

 そして「納車費用」とは、昔はセールスマンが顧客の自宅へ新車を届けることが当たり前だったころの名残とも言える費用で、現在は原則として店頭での納車が一般的となっているため、計上しないディーラーもありますが、5000円〜8000円程度の設定が相場です。もし見積書に記載がある場合は、「取りに来るのでカットしてください」と言えば0円です。

 これで購入時にかかる費用は全部出ました。合計すると、89万6290円です。厳密には、フロアカーペットや三角停止板などの「標準付属品」というものが必要となり、ミライース「B」の場合は6万7000円となっていますが、これも頑張ればカットできると思いますので、今回はこの価格でいきましょう。

 では、今度は購入後にかかる費用です。まず駐車場代は、江戸川区の平均月極駐車場代が約1万8000円でした。契約時には敷金が1カ月分必要となることが多く、1年毎の更新で更新時にも1カ月分がかかるため、年間13カ月分で計算すると、23万4000円です。次に、万が一事故を起こしてしまった場合に備えて、任意とはいえ絶対に入っておかねばならない「自動車保険」。これはミライースでドライバー(契約者)の年齢が20代の場合、年間5万円程度が相場となっています。

 あとは、必ずかかるランニングコストはガソリン代ですね。ミライース「B」のWLTCモード燃費は25.0km/Lです。これを基準として、月に1000km走行した場合はガソリン40リットルが必要となります。レギュラーガソリン代が全国平均価格で145円とすると、ガソリン代は月5800円。年間で6万9600円となります。お出かけ先への高速代、駐車場代、洗車代などはなるべく節約してもらうとして、今回は省くことにします。

 さぁこれで、新車でミライースを購入した初年度に、最低限かかる費用はすべて洗い出しました。東京都江戸川区の1Kのアパートで、新車でミライースを購入して生活するのに必要な年間の費用は、328万9890円です。ボーナスなしで単純に月収として計算すると、27万4157円ということになりました。

 いや〜、いかがでしょうか。じつは2020年の厚生労働省の調査では、大卒の初任給の平均月額は、22万6000円(通勤手当を含む)となっているのです。残念ながら、計算上は5万円ほど足りないという結果となってしまいました。

 ただ、これはあくまで新車を現金で購入した場合であって、ローンやクレジットを組むこともできますし、中古車だって価格はピンキリ。マイカーリースやサブスクのように、メンテナンス費用などを含めて月額1万円台から新車に乗れるサービスも増えてきていますので、あきらめるのはまだ早いです。

 冒頭で、マイカー購入価格は年収の5割以下に抑えるのが理想的だと述べましたが、大卒初任給の平均月額を単純に年収にすると、271万2000円(ボーナス含まず)。その5割というと、135万6000円です。家賃と生活費が最低でも年間171万6000円かかるという計算だったので、99万6000円は余裕がありますから、その範囲でローン/クレジット/リース代とランニングコストを支払えば、十分に可能ということになります。

 マイカーを東京で維持していくのは、やはりお金がかかるものですね。でも、あればあっただけの楽しさや便利さも手に入ることは、一度愛車を持ったことがある人ならわかりますよね。少しでも愛車が欲しいと思う気持ちがあるなら、最初から無理だとあきらめないで、ぜひ検討してみてほしいと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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