ガソリン使用量は減る一方! 「生き残り」をかけた石油元売りやガソリンスタンドの「策」とは (1/2ページ)

提携などによって逆風を乗り切っている

 実現できるかどうかは別にして、世界が一気に電動車へ舵を切った感じの昨今。純粋なバッテリーEVはまだ少ないにしても、ハイブリッドがこれだけ普及すると、ガソリンの使用量も減るばかりだ。ここ10年で見ると、毎年2〜3%ずつ減っている。ただし、物流に欠かせないし、ハイブリッドが普及していないこともあって、トラックが中心となる軽油は横ばいではある。

 ガソリンの使用量が減るのも仕方なしで、電動車の普及以外にも、クルマ離れやカーシェアの普及による使用率低下が影響している。そして、そもそもコロナ禍初期に少し安くなったものの、高止まり状態が続いているので消費にも逆風で、売り上げが増える要素がないと言ってもいい。さらに産業用では、シェールガスやオイルに押されているのもある。

 石油元売り各社はどうするのか? 売り上げがどんどんと下がっていくのを見ているわけにもいかないが、これと言って確実かつ的確な対策がないのも事実だ。それがわかればサッサとやっているというのもあるだろう。

 まず行っているのが合併や統合、提携だ。モービルやエッソは今やなくエネオスになっている。そしてエネオス自体が日本石油と三菱石油からできたものだし、JOMOなども関係。さらにエネオスはコスモ石油とも提携しているなど、かなり複雑な図式だ。また、創業家が頑として首を縦に振らなかった独立系の出光も、何度か決裂しつつも、ついにシェルを傘下に収めたのは衝撃的なニュースだった。ちなみにシェルは1985年に昭和石油と合併している。

 失礼な言い方かもしれないが、ガソリンという製品はどのブランドもあまり変わらないだけに、どんどんと手を結んで体力を付けやすい業種ではある。それゆえ、生き抜く手立てとして筆頭に上がるだろう。製油所や配送などを共有、効率化が図れるのは大きなメリットだ。

 それでも、売り上げは実質的に落ちていくわけで、ガソリンスタンド自体が減っているのはご存じのとおりだろう。理由は単純に経営が成り立たなくなっているのもあるし、元売りによる整理もあり、実際、元売りの直営化は進んでいる。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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