エコランの達人でも「これまでの常識」は通用しない! エンジン車とは違うEV独特のエコテクとは

ガソリン車の感覚で運転していると電費悪化につながることも!

 内燃機関を搭載しているモデルでも電気自動車であっても、エコな運転を心掛けたいもの。しかし、じつは内燃機関車と電気自動車ではエコ運転方法にも違いがある。

 たとえばクルマの空調についてだが、一般的な内燃機関を搭載した車両であれば、真夏にエアコンをガンガン使用すると燃費が悪化するイメージがあると思う。しかし、電気自動車にとっては、真夏のエアコンももちろん通常よりは電費は悪化してしまうが、もっとも電費が悪化するのは真冬の暖房使用時なのである。

 一般的な内燃機関車の暖房は、エンジンが発生する熱を再利用して熱風を作り出しているのだが、熱源となるエンジンを持たない電気自動車は、駆動用の電力を使って熱を発生させなければならないため、かなりの電力を消費してしまうのである。

 また、内燃機関車では高速道路で一定の速度でクルージングしているときはかなり燃費が伸びるイメージがあるだろう。これは、あまり極端なアップダウンがない平坦な道を一定速度で走行する場合は、高いギヤを使ってエンジンの回転数を抑えたまま走ることができるからだ。

 一方の電気自動車は、ほとんどの場合変速機を持っていない。つまりクルマの速度と比例してモーターの回転数が上がってしまうのだ。そのため、高い速度でクルージングをしていると、モーターが常に高い回転数で回り続けることになり、結果的に電費が悪化してしまうのである。

 ほかにも電気自動車やハイブリッド車に備わっている回生ブレーキもじつは使い方によって電費や燃費が変わってくる装備のひとつ。この回生ブレーキは簡単にいうと、減速するときの熱エネルギーを発電に回してバッテリーへ戻すというものだ。

 強い減速力があればそれだけ多く発電される、という認識は間違っていないが、じつは回生ブレーキは回収できる電力量が決まっており、それ以上の発電があっても回収できないのである。

 これは「回生失効」と呼ばれるもので、回収できなかった電力は残念ながらそのまま捨てられてしまう。そのため、あまり急なブレーキを使わず、じんわりと減速したほうがエコな運転になるというワケなのだ。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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