新車が消えゆくのは仕方ないが……すでに所有している「ガソリン車」にすら乗れなくなる可能性! (1/2ページ)

この記事をまとめると

◼︎ガソリンスタンドが減っているのは30年に1度のメンテナンスコストの高さのせい

◼︎EVが普及するとガソリンの需要が減って、値段が上がる可能性がある

◼︎将来、ガソリン車に乗るには経済的余裕が必要な可能性がある

手間と出費をいとわなければ所有は可能!

 世界的に自動車メーカーが電気自動車(EV)の販売を軸にする、いわゆるEVメーカー宣言をしはじめた。日本のホンダも、2040年にはEVまたは燃料電池車(FCV)のみを販売すると、新任の三部敏宏社長が表明した。では、ガソリンエンジン車はいつまで乗れるのか?

 新車を買うという視点では、ぞれぞれの自動車メーカーが明確にしたEVまたはFCVのみの販売という年からガソリンエンジン車を買うことが難しくなっていくだろう。しかしそれ以前に購入したガソリンエンジン車であれば、以後も乗り続けることはできるはずだ。

 一方、それでも制約があるとすれば、一つはガソリンスタンドがどこまで生き延びられるかにかかっている。すでに、最大件数から半減し、全国で3万件を割るまでになっている。この先、10~20年の間に、何軒が持ちこたえられるか。

 なぜそこまでガソリンスタンドが減ってしまうかについては、理由が2つある。一つは電動化が進むためだが、それだけでなく、エンジン車もディーゼルの導入など含め燃費が改善されているので、消費する燃料が減ってガソリンスタンドの経営を圧迫している。

 加えて、ガソリンスタンドに燃料をためておく地下タンクは、30年に一度交換しなければならず、そのために数千万円の費用が掛かるとされている。商品(ガソリンや軽油などの燃料)の売れ行きが落ちた上に、数千万円に及ぶ設備投資をしなければ営業を続けられなくなるのだから、ガソリンスタンド経営はますます厳しくなる。この2点が、すでにガソリンスタンドが半減した大きな要因だ。今後はもっと厳しさを増すだろう。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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