絶好調の新型ヴェゼルに早くも待った! カローラクロスを投入するトヨタの巨大すぎる壁 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■いまホンダのSUV、ヴェゼルが好調だ

■これから登場予定のトヨタ・カローラクロスが手強いライバルとなるだろう

■コンパクトSUV市場の行末について解説する

新型ホンダ・ヴェゼルが非常に好調な滑り出し

 ホンダは5月25日に、4月23日に正式発売したヴェゼルの発売1カ月後時点(5月24日)での累計受注台数が3.2万台超えになったことを発表した。

 ヴェゼルは2月18日にワールドプレミアされている。その少し前から先代ヴェゼルオーナーなど、ホンダ車ユーザーを中心に販売促進活動を展開していたと考えられるので、この3.2万台は2月のワールドプレミアからの3カ月間にわたる販売促進活動の結果としての累計受注台数と捉えることができる。

 さらに、筆者が見たところでは各ディーラー店舗にそれぞれ2台の試乗車が入っているようだ。そのため、全国のホンダカーズ店舗数を2400店とすると、3.2万台のうち、4800台(月販目標販売台数5000台)は、少なく見積もっても“自社登録車両”と考えられるので、純粋な受注台数は2万7200台とすることができる。この台数をベースに月当たりの平均受注台数を算出すると約9066台となるので、月販目標台数の約1.8倍となっているともいえる。

 ライバルとされるトヨタC-HRが同じく発売後1カ月での累計受注台数が4.8万台、トヨタ・ヤリスクロスが4万台だったので、ライバルと比べても見劣りのない滑り出しを見せているといっていいだろう。

 ヴェゼルの累計受注台数における、タイプ・グレード構成比を見ると、Zが76%と圧倒的に多い。ただ発売前にいくつかのホンダカーズ(ホンダの販売ディーラー)店をまわると、最上級のPLaYに受注が集まり、発売前ですでにPLaYの納車は2022年になるとの話であった。生産比率を先代モデルのデータに基づいてZに比重を置いたようだが、コロナ禍でのプチ贅沢ブームもあり、生産比率がそれほど高くないPLaYに集まってしまったようである。また、PLaYではグラスルーフが納期遅延を助長しているとの情報も得ている。

 ホンダでは、新型ヴェゼル最大のライバルとして、ヤリスクロスを設定しているようだが、さらなる伏兵が登場しようとしている、その名はカローラクロスである。世界的な半導体不足が絡んでいるのか、正式な発売タイミングなどは販売現場には知らされていないものの、すでに販売促進を行うターゲットカスタマーのリストアップを販売現場では進めている。

 トヨタは7月19日に新型アクア、8月末に新型ランドクルーザー。そして今夏とされているが、新型86の正式発売などニューモデルが矢継ぎ早に登場する予定。さらに、カローラクロスも初秋までには国内デビューするのではないかとされている。

 カローラクロスはタイで2020年7月にワールドプレミアされた、コンパクトクロスオーバーSUVとなる。その後調べた範囲では、インドネシアやベトナムでも発売されており、中国でも現地生産され販売される予定となっている。

 販売現場で話を聞くと、「ヤリスクロスはよく売れていますが、なかには『狭い』というご意見をうかがうことがあります。ただ、RAV4では逆に『大きすぎる』というお声をいただきます。カローラクロスは“ヤリスクロス以上RAV4未満”のサイズとなりますから、発売されれば大ヒットは間違いないでしょう」と、セールスマンの鼻息も荒い。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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