優等生の「ドイツ車」じゃ満足できない! 一度乗ったら中毒必至の超刺激「イタフラ車」3台 (2/2ページ)

イタフラは見た目からは想像もつかない「走り」をみせる!

2)アルファロメオ・ジュリア

 次にセダン。世界中にスポーツセダンと呼ばれるクルマは数多あるし、そのカテゴリーではドイツの独壇場のようにも感じられる。けれどイタリアン・ブランドのセダンは、ひと味違う。例を挙げるとすれば、アルファロメオのジュリア。スポーティに見せるためにいかつい仕立てにするのではなく、セダンとしては異例に官能的なスタイリング。

 ほんの一例だけど、ステアリングのギアレシオを11.7対1という超クイックな設定にして“曲がる”ということへの徹底的なこだわりを貫き通すなど、ドライバーを狂喜させることにかけてはピカイチ。エントリーモデルの“スプリント”では200馬力に330N・mと数値は決して大きくないが、パワーとトルクの引き出し方が巧みだから充分に速い。パワーの数字なんぞに依存してないのだ。昔から熱いクルマしか作ったことのないブランドならではの哲学が生きているのである。

3)シトロエン・ベルランゴ

 家族のためのクルマとなれば、フランスが抜群に上手いといっていいだろう。なにしろヴァカンスの国。家族フル乗車で荷物もたっぷり積み込んで遠くまで走っていって長い休日を楽しむ。それに費やす情熱は、日本人には想像できないレベルといっていいだろう。シトロエン・ベルランゴは、まるでそのために生まれたような気すらしてくるほどの存在。もちろんMPVなだけに、日常的なデューティだって楽々こなしてくれる。

 けれど、その辺の高級セダンを軽く凌駕するような快適な乗り心地は、どこまでだって疲れ知らずで走っていけるかのよう。スペースは乗員の分も荷物の分もたっぷりしているし、遊び心ある収納スペースだって用意されている。リラックスして高速巡航できる直進性と力強さがあるし、適度に素直な曲がりっぷりも見せてくれる。見た目は風変わりだけど本質ってものをよくわかってるのだ。


嶋田智之 SHIMADA TOMOYUKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
2001年式アルファロメオ166/1970年式フィアット500L
趣味
クルマで走ること、本を読むこと
好きな有名人
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