「内装割れ」や「床抜け」も愛せなきゃ乗れない! ちょっと前のイタフラ車「衝撃エピソード」8選 (1/2ページ)

「クルマは走るものだから壊れて当たり前」との声も

 最近ではマシになってきたが、イタリア車、フランス車といえば故障の代名詞。デザインや乗り心地のよさなどと引き換えに、トラブルは仕方がない的なあきらめも漂っていたほどだ。イタリアでよく聞くのが「クルマはかっこ良くて、速いのが大切」という言葉。「壊れない」というのは「余の辞書にはない」ということなのだが、EU統合でドイツ車が流れ込んできたら、イタフラともに自国メーカーのシェアが急落したので、やはりラテン人でも質がいいに越したことはないのだろう。まぁ今でも現地で話をすると「クルマは走るものだから壊れて当たり前よ」というから、意識的には昔のままのような気もする。

 日本人にとっては故障するといっても、止まるとかエンジンかからないぐらいのものだろうと思うだろうが、じつはあり得ないトラブルが発生したのが2000年ぐらいまでのイタリア車、フランス車だ。筆者も何台か所有していたので、自身が体験、そして仲間内で実際に目にした、耳にしたものをホンの一部だが紹介しよう。

1)床が抜けた

 どんなクルマも長期間放置すればフロアは腐ってくるが、設計ミスで水が溜まりやすいクルマは多かった。ブレーキ踏んだら床まで踏み抜いたとか、視線が急に変わったと思ったらシートがフロアにめり込んでいたなどの逸話も。ウチのイタ車も比較的最近のクルマながら、対策をしないとワイパーの下が金魚鉢になる。

2)タイミングベルトが切れる

 タイミングベルトが切れやすいとは、とくにイタ車では昔から言われること。実際、4万kmで交換しないと切れたりしたし、見てみるとヒビがいっぱい入っていることも珍しくなかった。そもそもファンベルトと見間違える細さだった。1990年代のどん底時代のマセラティは5000kmで切れたり、久しぶりにエンジンかけたらプツリと切れることも。今でも5万kmちょっとで不安が増してくるクルマは多い。切れるならチェーンにすればいいのにと思うのだが。

3)内張りが剥がれる

 日本車でもなくはなかったが、1990年代までで頻発したのが、内張りの剥がれ。天井も剥がれやすく、ベロンと下がってくると王様のベッドみたいになって運転が危険なことにもなったりした。全部剥がしてしまうのが手っ取り早い対策だった。

4)とにかくオイルが漏れる

 にじむとか、一部パッキン不良で漏れてくるといった甘っちょろいものではなく、あらゆるところから漏れまくるので、場所の特定などはかなり困難。またタイミングベルトが切れるのに関連して、ヘッドから漏れたのがベルトに染み込んでフカフカになるなんていうこともあったりした。今でも警戒レベルは下がったとはいえ、かなり漏れる。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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