コロナ禍の「自粛」さえも強みに変えていた! トヨタが「圧倒的一強」を築き上げられるワケ (1/2ページ)

オリンピックに絡めたイベントなどは行われていない

 先日、某所にあるトヨタ系ディーラーを訪れていた時のこと。セールスマンが席を外している間にショールーム内を見渡していて、ふと気がついたことがある。それは、“TOKYO 2020(東京オリンピック&パラリンピック/以下、東京オリンピック)”のエンブレムや公式キャラクターなど、オリンピックに絡めた宣伝ポスターなどの掲示が見当たらないのである。

 トヨタはオリンピックパートナー(スポンサー)のなかでも、最上位となる“ワールドワイドオリンピックパートナー”となっている。東京オリンピック開催まであとわずかとなっており、周知も含め、それらしい飾りつけがあってもいいのだが……。

 席を外していたセールスマンが戻ってきたので、その旨を聞いてみると「とくにオリンピックに関することは聞いていませんね」とのこと。そして、あくまで私見としながら、「昨年春からの新型コロナウイルス感染拡大以降、店舗へ積極的に集客するということになるので、週末のイベント開催については自粛をしております。その関係もあってオリンピックに絡めたイベントの開催はもちろん、店内装飾なども自粛しているのかもしれませんね」と話してくれた。

 トヨタ以外のオリンピックパートナーでは、ショーウインドウにエンブレムや公式キャラクターが大きく貼られたりしているが、それすらないのは気がつくと結構違和感を覚える。「まあ、今回の東京オリンピックはいろいろあるので、距離を置いているのかなあ」などと勝手に納得してしまった。

 週末イベント、つまり新型車の発表展示会や試乗会などが開催自粛になっているということは、不特定多数の新車購入希望客を集客しにくくなり、新車ディーラーとしては結構な痛手にも見える。前出セールスマンいわく「そこがトヨタ系ディーラーでは強みになるのです」とのこと。週末にイベントを行い、お客がくるのを待つ、純粋なカウンターセールスだけでなく、すでに各セールスマンが販売したお客のなかで、新車を買いそうなひとへ電話やメールなどで「お店にきませんか」と案内して集客するといったスタイルがいまの新車販売業界での主流とされている。

 当然トヨタ系以外のディーラーでもこのようなことは行なっているのだが、トヨタの販売力は圧倒的であり、抱える既納客もかなり多く、しかも他メーカー系ディーラーよりは、トヨタ系ディーラーは得意としているのである。もちろん、フリーでの来店客もいないわけではないが、フリー客かと思い応対すると、愛車の点検のために車両を持ち込んできた、“既納客”ということも多いのであまり効率はよくない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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