あおり運転を取り締まる「妨害運転罪」施行から1年! 効果はどのぐらいあったのか? (2/2ページ)

あおられる側の意識改革もまた必要だ

 この調査によると、あおり運転が厳罰化されても、23.1%のドライバーが、危険運転は減少しないと考えていて、その理由として、70.1%が「危険な運転をする人の心理や行動は変わらないと思う」と答えている……。

 たしかに厳罰化したところで、殺人事件も飲酒運転もゼロにはならない現実があるが、ある程度理性が残っている人には、一定の抑止力が働いているはず。

 にもかかわらずあおり運転をされた経験のあるドライバーの数が変わらないのは、あおられた側にも同じきっかけがあったと推測できる。

 たとえば、「速度が周囲より遅い」「後ろを見ていない」「ウインカーを出すのが遅い」「車線変更が急だった」といった場合、あおり運転につながりやすく、またあおる気はなくても相手のクルマと距離が狭まる傾向がある。

 前記の調査でも、42.1%の人はあおり運転をされた経験がなく、あおり運転をされた経験がある人の24.4%が「1年以内にある」と答えているので、あおり運転をされる人は、特定のドライバーに偏っている可能性が大きい。

 そう考えると、厳罰化も重要で、それなりの効果は間違いなくあり、またドライブレコーダーで自衛するのももちろん重要だが(警察庁が2020年6月から12月までの半年間で「妨害運転罪(あおり運転)」で摘発した58件のうち、54件がドライブレコーダーで録画されていた)、これ以上、あおり運転を減らすには、あおられた側の意識改革も欠かせない。

 一番大事なのは、流れに乗って走り、流れを乱さないこと。

 そして不審なクルマには近づかず、急いでいそうなクルマ、イライラしているように思えるクルマを見かけたら、道を譲るのがベスト。

 それでもあおり運転を受けたら、(安全な場所から)ためらわずに110番通報するしかない。

参考:チューリッヒ保険 ニュースリリース
https://www.zurich.co.jp/aboutus/news/release/2020/0706/


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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