レースの1週間前に急きょ参戦決定! カートの経験を活かして勝利を目指す【KYOJOドライバーの素顔】Vol.4 星七麻衣

「やりきった」と思えるレースがしたい

 女性ドライバー限定のプロシリーズとして2017年にスタートした「KYOJO CUP」には、現在15名の女性ドライバーがエントリー。そのキャリアは千差万別で、二輪のモトクロス出身者や86/BRZレース出身、さらにレースクイーン出身者などさまざまな経歴を持つドライバーが集結している。

 なかでも素晴らしい活躍を見せているのが、レーシングカート出身のドライバーで、他のカテゴリーと同様にKYOJO CUPにおいてもカート経験者が躍進。第2戦の鈴鹿を制した辻本始温選手や2位につけた下野璃央選手、3位に入賞した斎藤愛未選手などカート出身ドライバーたちが表彰台を独占している。初年度となる2017年のKYOJO CUPで四輪レースにデビューした星七麻衣選手もそんなカート出身ドライバーのひとりで、「小学校3年生の時にカートを始めて高校1年生の時ぐらいまで続けていました」と語る。

「KYOJO CUPの1週間前に父とスーパーGTを見に行ったんですけど、父がチームの関係者と知り合いで、“来週、女性ドライバーだけのレースがあるから出てみない?”と声を掛けられたことがきっかけでした」とのことで、星七選手はその場でKYOJO CUPにエントリー。マニュアル車の経験がないなか、レース前に1回だけテスト走行を行なって、四輪レースにデビューしたという。

 女性レースだけで争われるKYOJO CUPについて星七選手は「カート時代から男性と一緒に戦っていたし、ほかのカテゴリーでも女性ドライバーが活躍していますからね。速ければ性別は関係ないと思います。そういった意味でも、私は女性同士でも男性と一緒のカテゴリーでも、モチベーションは変わりません」とのことだ。

 6月6日に富士で開催された第1戦で予選14位に出遅れたほか、決勝でも12位に止まった星七選手は7月25日に鈴鹿で開催された第2戦でも予選11位、決勝9位と苦戦が続いた。それでも「最近はうまくレースができていないし、結果も良くないので、この先どうしていくのか考えている時期ではありますが、とにかく1年間悔いのないように戦いたい。結果が悪くても終わった後に楽しかったと思えるような内容にはしたいので、やりきったと思えるレースをしたいですね」と語っているだけに、星七選手の後半戦の活躍に注目したい。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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