トヨタだからこそできる強みを生かす! カーボンニュートラルを目指した電池作りと今後のビジョンを発表 (2/2ページ)

話題の新型EVも来年販売予定!

 トヨタでは、各電動車のパワーユニットに使用されるパワーソースを「HEVは出力型、いいかえると瞬発力を重視し、PHEV・BEVは容量型(持久力)」を重視して開発しているという。

 今年発表した、新型アクアに搭載されている瞬発力を重視したバイポーラ型ニッケル水素電池も今後搭載車種を拡大する予定とのことで、PHEV・BEV用のリチウムイオン電池は、今までもコストと持久力の両立をはかっており、今後も継続的に改良させていく意欲を今回の会見で発表した。

 2020年代後半には、さらに進化させた新型リチウムイオン電池を市場に送り出すべく、新型バッテリーの開発を進めている。

 また、トヨタが電動車に関して大事にしていることも以下のように説明している。

「トヨタが最も大事にしていること、それはお客様に安心して使っていただくということで、安全・長寿命・高品質・良品廉価・高性能という5つの要素をいかに高次元でバランスさせるかということを重視している。例えば、長寿命化は車両残価にも影響するので、航続距離を考えればエネルギー密度の高さという高性能も必要だ。充電速度は速くしたいですが、速くしすぎても安全性に影響するので、それぞれの要素のバランスをとる事が、安心に使っていただくために重要だと考えている。この考え方は初代プリウスに電池を搭載した時から変わらず電動車両すべての電池に共通の考え方で、これまでHEV用電池で培ってきた技術を、これからのBEV用電池にも活かすことで安心して使っていただける電池をお届けします」と、今後のバッテリー製造に掛ける意気込みと目標も今回の会見で発表した。

 ちなみに、今年7月に発表した新型アクアに採用したバイポーラ型ニッケル水素電池は、豊田自動織機と共同開発を行い、バイポーラ構造にチャレンジし、駆動用車載電池として実用化したというトヨタの意欲作だ。このバッテリーは、旧型アクアに搭載した電池と比較しても出力密度は2倍に向上し、パワフルな加速感を得られるようになっているのが特徴で、今後のトヨタの電動車開発で欠かせない存在となりそうだ。

 なお、次世代BEV用の電池としては、1996年に発売したRAV4 EV以降、培ってきたBEVの技術やHEVで培った電池・電動車両の最新の技術をトヨタbZ4Xに織り込み、2022年中に投入するという発表も行われたのでこちらも注目だ。

 トヨタでは、今後も多くの関連会社やグループ企業と提携して、バッテリーの開発や研究を進めていくという。


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