人生「勝ち組」でも水面下の「苦労」はハンパない! 思ったよりラクじゃない「スーパーカー乗り」の悲哀5つ (2/2ページ)

実際ドコ乗っていけばいいのか?

苦労3「眩しい」

「車高の高いスーパーカー」というのは根本的に存在せず、スーパーカーの車高はどれも極端に低い。

 まぁそれこそがスーパーカーのカッコ良さの源のひとつなわけだが、車高が極端に低いと、当然ながら夜間は対向車のヘッドライトが眩しい。対向車が普通にロービームで走っているだけでも、一般的な車高の車がハイビーム攻撃を食らう際と似たような眩しさを感じるのだ。

 この苦労の変形バージョンとして、「車高が低いから、前や斜め前を走るクルマのミラーに自車の姿が映らないため存在を気づいてもらえず、急な車線変更をカマされて肝を冷やす」といった苦労もあると聞いたことがある。

苦労4「乗っていく場所がない」

 親の遺産などでスーパーカーを買った人は別として、ほとんどのスーパーカーオーナーは己の血のにじむような努力の結果として、スーパーカーを手に入れている。

 それゆえ、己の生きた証であるそれを多くの人に見てもらいたいし、何なら「すごいですね! カッコいいですね! 僕みたいなボンクラは3回ぐらい輪廻転生しても、こんな凄いクルマは買えませんよ! いやあアナタは偉人だ!」とホメちぎってほしい。

 だが実際はなかなか難しい。なぜならば、スーパーカーは「乗っていく場所」がほとんどないからだ。

 先ほども言ったとおりコンビニへ乗っていくわけにもいかず、イオンに行くのも微妙だ。気候の良い日には遠出したいが、日本は雨の日も多く、渋滞も激しく、なおかつ走行距離を延ばすとスーパーカーのリセールバリューは低下するため、遠出もなかなかできるものではない。

 ……ということで、多くのスーパーカーはイベント(オフ会とか)の際に稼働させるぐらいのもので、後は、そのスーパーカーを購入した専門店などにとりあえず用もないのにスーパーカーで出向き、同じように、特に用事もないのにその店に集まった同好の士と、何時間もスーパーカー談義をする――ぐらいの使われ方しかされていない場合が多いようだ。

苦労(?)5「だがノープロブレムだ!」

 今回、WEB CARTOPから提示されたお題に基づいて4つの「スーパーカー乗りの悲哀」を書いた。自身の所有経験に基づく苦労話ではなく、前述したとおり「聞いた話」ではある。だが取材を通じて確かに聞いた話ではあるので、そう大きな間違いはないはずだ(※細かな間違いはあるかもしれない)。

 だが……ええと根本的な話としてですね、僕ぁスーパーカーを実際に買った人から「俺はスーパーカーを買って不幸になった!」とか、「スーパーカーに乗る苦労ってのは相当なモンだよキミぃ!」みたいな話は、一度も聞いたことがないんですよ。

 そりゃ細かな苦労はいろいろあるのでしょうが、それを大幅に上回る「幸せ」が、スーパーカーには――いや、スーパーカーを自分で手に入れるということには、たぶんあるんですよ。みんな、本当に幸せそうな顔をしてらっしゃる。

 だからですね、自分で書いておいて何ですが、もしもあなたが将来的にスーパーカーが欲しいと思っているのであれば、こんな文章のことはすぐさま忘れて、自身のビジネスにウルトラ邁進してください。そして、苦労があろうがなんだろうが、意中のスーパーカーをぜひご購入ください。それでいいのだと思います!

 ……あ、そういえば書き忘れましたが、本稿の冒頭で申し上げた「水面に優雅に浮かぶ白鳥も、水面下では必死に脚をもがいている」という話ですが、あれも完全なデマらしいですね。実際の白鳥は「必死にもがいてる」なんてことはぜんぜんなく、割と楽勝で水面に浮かんでいるそうです。

 スーパーカーの購入を目指すうえで、最後の白鳥デマのエピソードが何らかのご参考になったならば幸いです。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

愛車
スバル・レヴォーグ STI Sport EX
趣味
絵画制作
好きな有名人
町田 康

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