「カルマンギア」に「マイクラC+C」で有名なカルマンは残念ながら破産していた! そもそもカルマンとは? (2/2ページ)

リトラクタブルハードトップの第一人者として日本車も担当

 VWとのつながりはその後も密接で、ゴルフのカブリオレ、シロッコやコラードといったスポーツモデルを担当したが、VW専業というわけではない。同じドイツではアウディA4やメルセデス・ベンツCLKのカブリオレのほか、世界一美しいクーペと言われたBMWの初代6シリーズの組み立てにも関わった。

 ドイツ車以外では、トライアンフのオープンスポーツカーがTR5からTR6にモデルチェンジする際にデザインを引き受けているし、ルノー・メガーヌ・カブリオレの開発と架装も手がけた。

 リトラクタブルハードトップを使ったオープンカーも担当しており、メガーヌ・カブリオレの後継車でもあるグラスルーフカブリオレ、日産マイクラC+Cの開発と生産を行っていた。

 しかし21世紀に入ると、世界的にクーペやオープンカーの車種が少なくなったうえに、リーマンショックの影響を受けて業務が急減し、2009年に破産。オスナブリュックの工場はVWが引き取り、それ以外の生産設備も他の会社に売却された。

 少しあとにはイタリアの名門カロッツェリア、ベルトーネも破産している。残念ながら、コーチビルダーにとっては生き残りが大変な時代になっているようだ。


森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

グッドデザイン賞審査委員

愛車
1971シトロエンGS/2002ルノー・アヴァンタイム
趣味
ネコ、モーターサイクル、ブリコラージュ、まちあるき
好きな有名人
ビートたけし

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