5億円に迫る勢いで爆騰中のフェラーリF50! その中身は乗り心地度外視の「公道を走るF1」だった (2/2ページ)

349台という希少さによりその価値はうなぎのぼり

 F50の基本構造体となっているのは、もちろん当時のF1マシンと同様に軽量で高剛性のモノコックタブだ。その重量はわずかに102kg。ミッドシップされるエンジンは、このモノコックにリジッドマウント(剛結)される。65度のV型12気筒4700ccエンジンが発揮する513馬力の最高出力は現在でも十分に魅力的な数字だろう。バルブは各気筒、吸気側が3個、排気側が2個の5バルブ方式。圧縮比は11.3の設定で、燃料供給と点火はボッシュ製のモトロニック2.7がその役を担っていた。

 構造上注目されるのは、このエンジンやミッションも、走行中のストレスを負担する構造体として機能する仕組みが採用されていることで、したがって、実際にはF50の走行中の振動やノイズはかなりのレベルに達する。それがこれまでF50の人気がなかなか高まらない理由のひとつになっていたのだが、最近ではF40よりもずっと生産台数が少なく、かつ6速MTの搭載などシンプルな構成のモデルであることが見直され、オークション・シーンでもその落札価格は徐々に高まりを見せるようになった。

 圧巻だったのは、8月にアメリカのカリフォルニア州モントレーで開催されたRMサザビースのオークションに出品されたF50の落札価格だった。このモデルはそもそも349台のうち55台が生産されたアメリカ仕様の1台。3カ月ほど前にフロリダ州アメリア・アイランドで開催されたオークションで、377万2500ドル(約4億3000万円)で落札されていたから、今回出品されたF50にどれだけの値がつくのかは、オークション以前から大きな話題だった。

 結果は、日本円にして約4億5000万円相当となる396万5000ドル。これはこれまでオークションで取り引きされたF50の価格としては、おそらくは史上最高額となるものだろう。純粋にF1マシンに近い走りが楽しめる、世界でわずか349台のスペチアーレ、フェラーリF50。その人気はこれからも引き続き高値で安定するのだろうか。非常に興味がそそられる。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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