カー・オブ・ザ・イヤー受賞は販売増に繋がる? 一般の購入者が「見るべき」ポイントとは (2/2ページ)

結果だけでなく受賞理由も参考にすると良い

 具体的には、軽自動車やコンパクトカーは、受賞したことをCMなどで取り上げると、売れ行きにも大きな影響を与える。1カ月に5000〜1万台を販売する車種の多いカテゴリーで、なおかつN-BOX/スペーシア/タント/ルークス、ノート/ヤリス/フィットなどは、機能、デザイン、価格が似ているから購入時に迷いやすい。「イヤーカーに選ばれたなら、そっちを買おうか」と判断する傾向も強まる。

 販売ランキングも同様だ。「N-BOXが軽自動車の販売1位」になると、ライバル車との選択に迷った時、「一番売れている車種を選べば間違いない」と判断される。逆にスポーツカーのような趣味性の強いカテゴリーは、受賞したからといって「そっちを買おうか」とは考えにくい。自分の好みが優先され、ほかの要素は入り込みにくい。

 またメーカーからは「イヤーカーに選ばれると、開発者や生産に携わる人達の励みになる」という意見も聞かれる。つまりイヤーカーのイベントは、ユーザー、販売会社、メーカーを含めて、皆で一緒になって盛り上がるお祭りでもあるわけだ。

 そしてイヤーカー選びには、日本カー・オブ・ザ・イヤー、RJCカーオブザイヤー、日本自動車殿堂カーオブザイヤーという具合に、複数のイベントがある。いろいろな賞を参考にすると良い。

 この時に大切なのが受賞理由だ。結果だけでなく「なぜその車種がイヤーカーに選ばれたのか」を確認したい。その意見に共感できればクルマ選びの参考になるし、逆に「そうは思わない」という感想を持つこともあるだろう。日本カー・オブ・ザ・イヤーのホームページには、各選考委員のコメントも紹介されているので、参考にしていただきたい。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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