輸入車SUVで人気ナンバーワン! フォルクスワーゲン「T-Cross」が売れる4つの理由 (2/2ページ)

スターティングプライスは300万円以下!

 さらにコンパクトボディだからといって安っぽく見えないのもポイントだ。丸っこいスタイリングは可愛らしいシルエットとなっているが、フェンダーアーチモールやドアパネルなどの樹脂部分がSUVらしい力強さを表現。前後バンパーのシルバー加飾やルーフレールといったアイテムもSUVの世界観を表現している。全高1580mmはSUVとしては低めのディメンションとなるが、目の前にすると存在感は抜群でコンパクトとは思えないのも人気の秘密だろう。

 さらにコクピットに座ったときのインパクトも大きい。9.2インチの大型ディスプレイによるインフォテイメントシステムはジェスチャーコントロールに対応しているし、大型ディスプレイによるフルデジタルのメーターは画面いっぱいに地図表示をすることができるなど、最新のデジタルコクピットとなっている(いずれもオプション)。

 デジタルといえば、スマートフォンに「We Connect」アプリを入れることでスマートフォンと愛車がつながるという未来体験もできる。とくにドアロックの開閉などの遠隔操作ができるのは面白い。検索した目的地をクルマのナビゲーションに送信することも可能で部屋の中などでワイワイとツーリングプランを考えるといった利用もできる。さらに、定期点検や警告灯情報を自動で担当ディーラーに通知したりできるのはカーライフに安心感をプラスしてくれる。

 このように、いわゆるハードウェアとしての魅力が十分にあるうえで、輸入車SUVとしてはもっとも手頃といえる300万円を大きく切ったスターティングプライスを実現している。メーカー希望小売価格は286万7000円~350万3000円、手の届きやすい輸入車SUVとなっている。

 駆動方式はFFだけのラインアップとなっているため、オフロード性能を期待したい向きを満足させることはできないかもしれないが、レーダーを使って歩行者を検知するAEB(衝突被害軽減ブレーキ)は標準装備となるなど、最新モデルに期待する先進安全性能は満たしている。こうした内容で、この価格帯であれば売れているというのも納得できるのではないだろうか。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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