出せば「バカ売れ確実」なクルマ好きが望む過去の技術! それでも復活できない「事情」とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマには時代の要請で消えてしまったロストテクノロジー的な機能や装備がある

■技術的には再現可能であっても安全面や規制の強化によって再現できないものも多い

■現在は当たり前のものであっても今後の規制強化などによっては消えてしまう可能性もある

スーパーカーの象徴もいまでは完全消滅

 自動車テクノロジーの進化というのは、大きく商品力アップと社会的ニーズへの合致というふたつによって方向づけられてきている。わかりやすいキーワードでいえば、普及、廉価、便利、安全、環境といったところだろうか。そうして進化していくなかで、かつては当たり前だったものが失われ、二度と復活することがない、ある種のロストテクノロジー的になっていくことがある。

 そこまでいうと大袈裟かもしれないが、ここでは今後復活することはないであろう4つの装備・メカニズムをピックアップして紹介しよう。

 この手のクルマで失われし機能でいえば、いの一番に思い出すのが「リトラクタブルヘッドライト」だ。点灯時だけ展開するヘッドライトは、昼間にみるとシャープな顔つきとなり、また空力特性にも有利なため1970年代のスーパーカーブームでは、まさにスーパーカーのアイコン的装備となり、1980年代からは日本車でもかなり幅広く採用された。

 ファミリーカーのアコード、コンパクトカーのカローラIIにもリトラクタブルヘッドライトが採用されていたほどだ。

 もとともは規格品のヘッドライトを使ってクルマをスタイリッシュに見せるために生まれたリトラクタブルヘッドライトがなぜ消えてしまったのか。それは歩行者保護などの安全基準を満たすためにほかならない。リトラクタブルヘッドライトを展開している状態では突起物となってしまい歩行者保護の観点からNGになってしまう。

 ほかにもいくつか理由はあるが、歩行者保護についての保安基準を考えると、今後リトラクタブルヘッドライトの量産モデルが誕生する可能性はゼロに近いといえるだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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