中古販売も無理なクルマの最後は? 自動車メーカーもかかわる「廃棄の流れ」とは (2/2ページ)

最終的にはシュレッターダスト類となる

 ただ、最近は金属の価格が上がっているので、逆にお金がもらえることもある。「無料で引き取ります」という看板をガソリンスタンドなどで見かけるが、実際は引き取った車両を販売して利益を出している。つまり近所に解体屋があれば、直接持ち込めばいくばくかのお金がもらえる可能性はあるというわけだ。

 話を戻して、引き取られた車両のゆく末はというと、まず自治体に登録をして許可を受けた業者(ディーラーや整備工場など)が引き取って、それをまずフロン類回収業者がエアコンからフロンを抜き取って処理。抜き取られたフロンはメーカーやインポーターに引き渡される。

 その次に解体業者に運ばれて、エアバッグ類を抜き取って回収しつつ、ボディバネルやエンジンなど、中古部品として流通可能なものを取り外す。その残りは粉砕業者が粉々にして、そのうえでリサイクルできる金属や樹脂、ゴム類は取り除いて、最終的には直接的な用途がないシュレッターダスト類となる。基本的には解体と粉砕は別の業種となるが、ひとつの業者で可能なこともある。

 シュレッターダスト類とエアバッグ類は、フロン類と同じように自動車メーカーやインポーターに引き渡されて1台のクルマは完全に処理が完了する。意外なのは、自動車メーカーが最後まで関係していることで、リサイクル料金はメーカーが決めているのはこのためでもある。いずれにしても、クルマは完全に明確な手順で処理されているというわけだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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