「なんでこんなに違う?」というぐらい値段はピンキリ! 迷いまくりのエンジンオイルの選び方 (2/2ページ)

オイルの進化によって交換時期の間隔も伸びた

 2000年代に入ると、燃費向上や、排出ガス浄化性能の向上を新車がいっそう求められ、エンジンオイルも省燃費性能や排ガス浄化性能を加えた製品が登場し、それらはSL規格以降SPへ進化していく。

 ちなみに、このSA~SPの表記は米国で基準化された表現で、ほかに日米で規格されたGF-1~GF-6(SH~SPと同じ内容)という表記の仕方もある。

 次に、数字表記による0W-20といった表示が、アルファベット2文字表記のあとに記されている。これは、オイルの粘度を示す。

 Wの付く最初の数字は、低温でのエンジン始動のしやすさを表し、数字が小さいほど寒くても始動しやすいことを表す。ハイフンのあとの数字は、高温での粘度の維持性能を示し、数字が大きいほど高速走行や高負荷運転に適している。寒冷地でなく、日常的に高速道路などをあまり利用しないのであれば、Wの付く数字は大きく、後ろの数字は小さい製品でよく、そのほうが安く手に入れられるだろう。

 オイル交換時期については、現在は1万kmまたは1年ごとといわれることが多い。かつては、5000kmでとされてきたが、化学合成油が増え、混合気の制御がより緻密になるなど、燃焼が適切に行われるようになって、オイル交換の必要な間隔が長くなってきた。

 それでも、クルマの使用条件や運転状況は利用者によって差がある。オイル交換を頻繁に行えばエンジンによいということだけでなく、廃棄された使用済みオイルの処分も視野に環境負荷も踏まえ、自分のクルマの利用状況に応じた適切なオイルの種類の選び方と交換時期を、整備工場など専門家と相談しながら進めるといいだろう。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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