「関東仕入れ」「雪国モノ」って鮮魚か野菜? 中古車は「産地」にも注意が必要だった

この記事をまとめると

■中古車価格は全国均一化が進んでいる

■しかし雪国のクルマは今でも安価に手に入る

■こういったクルマを購入する時の注意点を解説する

雪国のクルマは今でも安く販売される

 今では中古車の査定額に差はないとされる。中古車情報誌の登場やネットの普及で、どこにいても相場がわかるようになり、全国均一化が進んだ。以前は地域毎、業者毎に判断して査定額や中古車販売価格を決めていたため、地域によって差があった。今でも古本やゲームソフトで行われているセドリと同じように、ほかの地域から買い付けに行って、その差額で儲けを出す業者もいて、その昔、並行輸入などで財を成した某有名自動車販売会社が有名だ。

 強いて言うなら、オープンカーは冬は安くなるし、家族のなかでもひとり一台が当たり前の地域では軽自動車が人気で相場が高めというのもあるだろう。

 ただし、今でも確実に安いのは雪国ものだ。海辺で使われていた車両も注意が必要だが、海岸は日本全国どこにでもあるので区別がしにくいというのが現実。その点、雪国は線引きができる。なにが問題かというと、冬場に撒かれる融雪剤による下まわりの腐食。融雪剤とは塩なのでひどいものだと、最近のクルマでもフロア下を覗いたら真っ赤。ボロボロに腐食していたりもして、安く仕入れられる。非降雪地からわざわざ買いに行って、下まわりが難ありなのを隠して販売している業者もいるため注意したい。

 中古車を見る際には必ず下まわりを覗いたほうがいいし、どこのオークションで仕入れたかを一応聞いてみるのもいい(本当のことは言わないかもしれないが)。もちろんグサグサの下まわりを直すのは不可能に近いだろう。

 雪国仕入れの逆もあり、よく聞くのが「関東仕入れ」という言葉。もちろん雪国で使われる言葉で、雪が降らない。つまり融雪剤のダメージがない関東からやってきた中古車のことを指す。それだけ程度がいいということになる。もちろん関東からわざわざ買うということは、オークションへの参加はオンラインでできるものの、陸送費がかさむので少々高くなる傾向にある。それでも融雪剤で真っ赤になった下まわりのクルマを買うのは憚れるだけに、プライオリティがあるのもうなずける。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
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レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
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遠藤ミチロウ、岡江久美子

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