ステップワゴンの復権なるか! 高評価しか聞こえてこない「新型ノア・ヴォク」に対する優位性を探った (1/2ページ)

この記事をまとめると

■今春、ホンダから6代目ステップワゴンが発売される

■2022年1月にはライバルとなるトヨタ・ノア&ヴォクシーが発売されている

■新型ステップワゴンが成功を収める可能性について解説する

わくわくゲートの反省を生かしたパワーテールゲートを採用

 2022年1月に、8年ぶりの4代目新型ノア&ヴォクシーが発売され、その驚愕な先進運転支援機能や装備の充実度に驚かされたものだが、その直接的ライバルとなる、今春、発売される新型ステップワゴンはどのようにノア&ヴォクシーに対抗するのだろうか?

 ここでは、ホンダファン、ステップワゴンファンの期待に、6代目となる新型ステップワゴンがどう応えてくれるのかを、現時点で分かりうる範囲で検証したい。

 と、その前に、モデル末期となった2021年1-12月の、ステップワゴンが属するMクラスボックス型ミニバンの販売台数について報告したい。全乗用車の販売台数で見ると、1位はトヨタ・ヴォクシーが全体で9位で70085台。次いでセレナが11位で58954台。ヴォクシーの兄弟車のノアが18位の44211台。そしてステップワゴンが19位の39247台となる。ステップワゴンがいかに苦戦していたかがわかるデータと言っていい。

 1996年に華々しくデビューした初代ステップワゴンは日本の多人数乗車、ファミリーカーの定番として、長きに渡って人気を得てきたのだが、2015年に登場した5代目は、画期的なわくわくゲートが大きな売りのはずだった。バックドアが縦にも横にも開き、車体後方にスペースのない場所でもバックドア側から荷物の出し入れ容易であったことに加え、バックドア側から人や犬も乗降できる超便利さがあったのである。ところが、わくわくゲートのサブドアによって、真後ろから見た時に左右非対称なデザインとなり、バックミラーに映る後方視界に縦線が入るなど、一部のユーザーからは不評。販売の勢いを失った理由のひとつとされている。

 当然、ホンダもそれを承知だから、6代目となる新型ステップワゴンでは、わくわくゲートを廃止。標準車+スパーダ改め、シンプルなエアー、おなじみのエアロ系のスパーダ、そして最上級のスパーダプレミアムラインの3グレード展開となった新型では、わくわくゲートのサブドアの便利さを、スパーダ以上のグレードに、ステップワゴンとして初装備されるパワーテールゲートによって解決。任意の位置で開閉を止められるようにしたのである。ただし、新型ノア&ヴォクシーでは、世界初の”からくり”を使ったフリーストップバックドアを、非パワー、パワーバックドアともに新採用。一歩リードされたカタチになってしまった。

 5代目ステップワゴンは、先代ノア&ヴォクシーになかった先進運転支援機能に含まれるACC(アダプティブクルーズコントロール)などを装備し、先進運転支援機能では先んじていたのだが、これまた、新型ノア&ヴォクシーではトヨタ最新のトヨタセーフティセンス、高度運転支援のトヨタチームメイト、アドバンストドライブ(自動車専用道路の同一車線における約40km/hまでのハンズオフドライブやスマホによる遠隔自動出庫などまで可能だ)まで用意したのだから、現時点で新型ステップワゴンの先進運転支援機能=ホンダセンシングの内容はわかっていないが、ここでもノア&ヴォクシーがリードする可能性はある。

 また、レクサスNXから新搭載された、トヨタ車としては新型ノア&ヴォクシーが初搭載となる、BSM(ブラインドスポットモニター)と連動して、停車時にドアを開けようとしたとき、後方から自転車やクルマが接近していると、スライドドアのオープンを停止させ、フロントドアではドアオープンを警告してくれる降車アシスト機能は、おそらく新型ステップワゴンにはないと予想できる(あったらすいません)。

 では、先代ステップワゴンユーザーが新型で満足するはずの部分はどこにあるのか。わくわくゲートのサブドアについては賛否両論あるので、筆者のように、先代のサブドアの使いやすさを気に入っていた人なら賛否が分かれる可能性はあるものの、そこは新型、しっかりと改善されている部分は少なくない。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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