走り屋御用達の「過激モデル」も多数あった! 40歳を迎える日産マーチ激動の歴史 (2/2ページ)

街でよく見るあの型はもう20年前のクルマだった!

3代目K12系(2002年~2010年)

 2001年に発表されたコンセプトカー「mm.e」と「mm」を経て、2002年2月に登場した3代目マーチ。愛らしい大きなヘッドライトや丸みを帯びたルックスや豊富なボディカラーが話題となった。

 ボディタイプは引き続き3ドアと5ドアのハッチバックで、搭載エンジンは新たにCR型の1リッター、1.2リッター、1.4リッターの3種類。基本は4速ATで、1.2リッターモデルにのみ5速MTが用意されていた。

 2002年9月には1.4リッターモデルに後輪をモーターで駆動させる「e-4WD」を設定。翌2003年7月には1リッターモデルが廃止され、同年10月にはオーテックジャパンが手掛けたホットモデル「12SR」が登場した。

 2005年8月にはマイナーチェンジが実施され、3ドアハッチバックモデルを廃止。1.4リッターモデルはe-4WDのみとなり、代わりにHR15DE型の1.5リッターエンジンとCVTを組み合わせたモデルが最上級グレードとなった。また、オーテックジャパンが手掛けるSRシリーズにはこの1.5リッターモデルが追加され「15SR-A」が登場している。

 2007年7月には欧州市場で販売されていたクーペカブリオレモデルの「マイクラC+C」を1500台限定で輸入販売。輸入車ということで、マーチではなく現地名のマイクラのままの販売となっていた。

4代目K13系(2010年~)

 およそ8年半ぶりのフルモデルチェンジで4代目となったマーチ。日本向けの車両はタイの日産の工場で生産されるため、輸入車という扱いとなった。

 エクステリアは先代のイメージを踏襲したもので、ボディタイプは5ドアハッチバックのみ。エンジンは時流に乗って高効率な3気筒1.2リッターのHR12DE型のみとなり、組み合わされるミッションも新世代エクストロニックCVTのみというシンプルなバリエーションとなった。

 2013年6月にはマイナーチェンジを実施し、日産のファミリーフェイスであるVモーショングリルを採り入れたフロントマスクを採用。また、同年12月にオーテックジャパンが手掛ける「NISMO」シリーズが発売されることがアナウンスされた。

 このNISMOシリーズは、専用のエアロパーツやアルミホイール、サスペンションなどを装着したホットモデルであり、通常の「NISMO」ではパワートレインは不変であるものの、「NISMO S」については、通常のラインアップには存在しない直列4気筒DOHC1.5リッターのHR15DE型エンジンと5速MTが搭載され、スポーツシートやボディ補強など、走りに関わる部分に大きく手が入れられたコンプリートカーとなっていた。

 2016年4月には、オーテックジャパン創立30周年記念車として「ボレロA30」を30台限定で販売することを発表。これは初代から継続設定されている「ボレロ」をベースに、オーバーフェンダー化などの専用ボディと1.6リッターの専用エンジンなど、オーテックジャパンの技術を惜しむことなく投入したスペシャルモデルで、356.4万円という価格も工賃を度外視した部品代のみ上乗せしたバーゲンプライスと言われている。

 2020年7月に実施された改良では、衝突被害軽減ブレーキや踏み間違い衝突防止アシスト、車線逸脱警報といった安全装備がNISMO系以外に標準装備となったほか、4WDモデルが廃止され、2WDのみのラインアップとなった。

 なお、欧州では2017年からK14型となる5代目マイクラが販売されているが、日本への導入はなく、今回後継車種が発表されたことで、一部で噂されていた5代目モデルの日本導入は完全になくなったと言えそうだ。

 果たして、今回発表されたマイクラ後継の小型EVが次期型マーチとなるのか、それとも別の車両が登場するのか、はたまたマーチの名前は消滅してしまうのか、興味は尽きないところである。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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