ヨーロッパでバカ売れの商用車が日本に上陸! フィアット「デュカト」にブーム到来の予感しかない (2/2ページ)

日本でもキャンピングカーのベースとしての需要が見込めそう

 当初から日本の多くの小型商用車とは違う、横置きエンジン前輪駆動方式を採用していることも特徴。理由はもちろん荷室の床を低くするためだ。

 意外なエピソードとしては、コミュニティバスなどで活躍する日野ポンチョの初代も、このプラットフォームを使っていた。低床バスを作りやすかったからだろう。運転席まわりもそのままで、日本車なのにウインカーレバーは左側にあった。

 デュカトに話を戻すと、日本には3種類のボディが導入されるが、もっとも小柄なL2H2でも、欧州仕様の数字で全⻑5413mm、全幅2050mm、全高2524mmとかなり大柄だ。

 その分荷室は広大。とりわけ低い床を生かした室内高はL2H2でも1932mmで、身長170cmの僕なら余裕で立って歩き回れる。会場でもっとも多かったトヨタ・ハイエースは、ハイルーフでも室内高1650mmだから明確に違う。

 そのため欧州ではキャンピングカー御用達の1台であり続けており、今回のショーでもベースとして起用していた車両が何台かあった。

 もちろんイタリアらしいデザインへのこだわりも魅力。線や面のつながりを考えたフロントマスク、見た目と機能を両立したドアミラーなど、感心の連続だ。中でも注目したのは6色用意されるボディカラー。白と黒以外はすべて、微妙な色調のグレー。

 日本人では到達できないセンスに圧倒されてしまった。


森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

グッドデザイン賞審査委員

愛車
1971シトロエンGS/2002ルノー・アヴァンタイム
趣味
ネコ、モーターサイクル、ブリコラージュ、まちあるき
好きな有名人
ビートたけし

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