昔のMT車はいまより「高難易度」! 還暦オーバーのMT乗りがマスターしていた「ダブルクラッチ」という消えたテクニック (1/2ページ)

この記事をまとめると

■シンクロのないMT車でスムースな変速をするための必須テクニック「ダブルクラッチ」

■1回のシフトチェンジで2度クラッチペダルを踏むためこう呼ばれる

■現在のMT車には優秀なシンクロが備わるため必要のないテクニックとなってしまった

「シンクロないからダブルクラッチ」、これってどういう意味?

「ダブルクラッチ」は、MT車のトランスミッションにまだシンクロナイザーが普及していなかった頃に、スムースなシフトチェンジを可能にするために行なわれた今は昔のテクニック。

 シフトチェンジの際、クラッチを切り(1回目)、シフトレバーをニュートラルの位置に動かし、そこでいったんクラッチをつないでアクセルをひと吹かしして回転を合わせ、それから再度クラッチを踏んで(2回目)ギヤを入れクラッチをつなぐ。つまり、1回のシフトチェンジで2回クラッチペダルを踏むので「ダブルクラッチ」という。

 なぜ通常1回で済むクラッチワークをわざわざ2回も行なったのかというと、シンクロの弱ったクルマや、シンクロが入っていない古いクルマは、これをやらないとギヤチェンジのたびに“ジョン”とギヤが泣いて、シフトが入りづらかったから。

 意外に知られていないかもしれないが、MT車のギヤはつねに噛み合っている常時噛合式が一般的。つまり、ギヤそのものは最初から合わさっているので、ギヤが入らないということはあり得ない。シンクロの問題で入らないのは、シフトレバーに連動して動くスリーブの方だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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