「踏切手前の窓開け」「時速100キロで100m」「ポンピングブレーキ」! なぜ教習所では公道で「使えないテク」を教えるのか (1/2ページ)

この記事をまとめると

■有意義な知識と技術を教えてくれる教習所だが、公道ではほとんど役に立たないものもある

■なかには現状に即していないために危険を招きかねないものもある

■より安全に直結したカリキュラムへの作り直しが望まれる

自動車教習所で教わるものが必ずしも正しいとは限らない

 自動車学校=教習所ほど、日常生活に直結した有意な技術と知識を教えてくれる学校は稀といえるが、それでも時代にそぐわない教えや実情にマッチしない技法がいくつかある。そうした疑問符がつく教習所ならではの旧習(?)をいくつか指摘してみることにしよう。

1)踏切では窓を開ける

 教習所では、「踏切手前でいったん停止し、左右の安全を確認するとともに、”窓を開け電車の音を確認”する」ことを徹底される。道路交通法にはそのようなルールは明記されていないにもかかわらず、仮免検定、卒業検定で「窓を開けて、音を確認する」ことを怠ると、「安全不確認」として、10点の減点(技能試験は100点中70点以上で合格)の重大ペナルティに!

 以前、一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合会に取材したところ、「なぜ踏切横断の際、クルマの窓を開けると教えているかと申しますと、教習所で教える内容は、安全確認に重きを置いているからです。道路交通法の義務がなくても、踏切の手前では一時停止をし、窓を開けるなどして、自分の目と耳で安全を確かめるのが理想的です。『窓を開けたほうが安全』ということを知らずに街に出るのは可哀想ではありませんか。だからこそ、教習所の検定では、それを覚えているかどうかを審査しているのです」という答えが返ってきた。

 もっともという気がしないでもないが、減点するほど重要なこととは思えない。もっとフルブレーキの練習や、しっかり加速してからの合流などに力入れるべきでは?

2)車間距離 100km/h=100m

 教習所では、80km/hのときは80m、100km/hのときは100mと、自分が出しているスピードと同じ分だけ車間距離を空けておくといいと教わるが、実際の路上でそんなに広い車間距離をとっている人はごく少数。あまり車間距離が広いと、間にどんどん割り込まれたり、その様子を見て後続車がイライラするのでよろしくない。

 公益財団法人「高速道路調査会」の調査では、「100km/h走行時に100mの車間距離を空けると割り込みにより逆に危険度が増し、混雑時は車間距離が短くなって一層危険な状況になる」という指摘もあるほどだ。

 現実的には警視庁などが推奨している「2秒ルール」がいい。「2秒ルール」とは、秒速×2=車間距離という考え方。40km/hなら22.2m、60km/hなら33.3m、80km/hなら44.4m、100km/hなら55.6mが2秒ルールの目安。根拠は最初の1秒が危険を認識して行動する時間。そして実際の効力が発揮されるまでの時間が1秒で、合せて2秒。もちろん、初心者はより広めの車間距離が望ましいが、知識としてはこの2秒ルールを教習所でも教えるべきだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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