1+1=3にも4にもなってる! 自社だけじゃ不可能だった「コラボ」で「圧倒的な価値」を手に入れたクルマ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■異色のコラボやライバル車の誕生によって価値を高めた車種を紹介

■他社とのコラボや提携は、多くのユーザーも注目するだけにセールスにも有利だ

■兄弟車でありながらも違ったコンセプトで差別化することで人気を得ている車種もある

異色のコラボで独創性を極めた孤高のクルマたち

 自動車業界のつながりはどんどん密接になっている。各メーカーやブランドは見えている範囲、見えない領域でのアライアンスを強めている。また、異業種とのコラボレーションにより商品力を高めようという手段も昔から盛んだ。

 最近でいえば、2021年11月に500台限定で発売された特別仕様車「キックス コロンビアエディション」が印象深い。日産とアウトドアメーカー「コロンビア」のコラボによって生まれ、いきなり特別仕様車をリリースするのではなく、事前に両社が協力したキャンペーンを実施するなど、いわゆる”地ならし”をしていたことも好意的な印象につながっているだろう。

 この特別仕様車に用意されるチタニウムカーキとダークブルーという2色のボディカラーは、意外にもカタログモデルにラインアップされている標準色だが、そこに前後のアンダープロテクターなどをブラックとしたコーディネートとすることで、コロンビアエディションという名前にふさわしいアウトドアイメージを強めている。

 コラボの成果が感じられるのはインテリアで、305デニール生地に防水加工を施したアウトドアに最適なラゲッジシートやシートバックポケット(運転席・助手席)、フロントシートエプロン(運転席・助手席)を備えている。純正アクセサリーとしても用意してほしいと思うほどの魅力的なアイテムだが、特別仕様車限定のパッケージというのが、これまたスペシャルでレアなイメージを強めている。

 自動車メーカー同士のコラボレーションで印象深いのは、かつていすゞが販売していたクロスカントリービークルのフラッグシップとして1991年12月に誕生した「ビッグホーン」、そのトップグレード的な位置づけとして存在していた「ハンドリングbyロータス」だ。

 いすゞはドイツのチューナー「イルムシャー」とコラボしたスポーティグレードも用意していたし、「ハンドリングbyロータス」にしてもビッグホーンだけでなく乗用モデルのジェミニにも用意していた。ブリティッシュグリーンのボディカラーは、その象徴となっていたし、当時はF1でも活躍していたロータスの手が入ったハンドリングは、本格的なクロスカントリービークルであるビッグホーンをワインディングマシンに変身させた。

 いすゞオリジナル設計の3.2リッターV6エンジンを積んだ「ハンドリングbyロータス」は、その200馬力のパワーを活かせば、ワインディングで当時の主力マシンについていくこともできた……というのは思い出補正かもしれないが、若いころ社用車として「ビッグホーン ハンドリングbyロータス」を運転する機会の多かった筆者の記憶に残るエピソードだ。ロータスのチューニングは、ビッグホーンにミラクルなハンドリングを与えていたのだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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