同じ中身なのになんでこんなに差が付いた! 明暗クッキリ兄弟車の勝ち負け4選 (1/2ページ)

圧倒的なネームバリューの差が浮き彫りとなってしまったモデル

 最近ではトヨタ(東京地区を除く)だけになってしまった販売チャンネルによる取り扱い車種の違い。どこのディーラーに行っても同じ車種が購入でき、入庫サービスも受けられるということで、ユーザーからしてみればありがたいことであるが、その一方で販売チャンネルごとに微妙な差異が付けられた兄弟車が減ってしまうのはマニアの視点からすると少し寂しい気持ちもあるところだ。

 そこで今回は、兄弟車ながらなぜか販売台数に差が付いてしまった車種を中心にご紹介したいと思う。

1)トヨタ・カローラシリーズ/スプリンターシリーズ

 もともとは1966年に登場した初代カローラのスポーティなモデルである「カローラスプリンター」として68年に登場したのが始まりのスプリンター。3代目まではカローラよりもやや上級かつ、スポーティな車種として専用のボディを用意するなど差別化が図られていたが、4代目からはメカニカル的は部分はほとんどカローラと共通の兄弟車という扱いになった。

 スプリンター自体は95年に登場した8代目をもってその歴史に幕を下ろしたが、8代目登場時の月販目標台数はカローラセダン1万4000台なのに対してスプリンターセダンは6000台となっている点からも、カローラのネームバリューのすさまじさを感じざるを得ないところだ。

2)日産シルビア/ガゼール

 1979年に登場した3代目シルビアの兄弟車として同時にリリースされたのがガゼールだった。シルビアは当時の日産サニー店系列の取り扱いだったのに対し、ガゼールは日産モーター店系列の取り扱いとなり、ユーザー層に合わせてややシルビアよりも高級な車種というポジションが与えられていた。

 そのためもあってか、西部警察で石原裕次郎演じる小暮課長の愛車として用意されたオープン仕様はシルビアではなくガゼールがベースとなっていた。一方のシルビアは当時のシルエットフォーミュラなどレースに多数参戦し、若いユーザーからの支持を集めた。

 結局ガゼールは2代目となるS12型の途中で姿を消し、後継車種として89年にハッチバックボディを持つ180SXが登場。しかし180SXはシルビアのフルモデルチェンジ後も継続販売され、放置プレイかと思いきや、3ナンバー化したS14型を嫌うユーザーが180SXを買い求めたというのは何とも皮肉である。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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