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そもそもノアヴォクと闘う気はない! まもなく発売のステップワゴンの「弱気」さが呼び込む勝機 (1/2ページ)

そもそもノアヴォクと闘う気はない! まもなく発売のステップワゴンの「弱気」さが呼び込む勝機

この記事をまとめると

■新型ステップワゴンが新型のノア&ヴォクシーに優っている点を予想

ノア&ヴォクシーは死角がないほどの仕上がりで売り上げも好調だという

■新型ステップワゴンはホンダ独自の視点作られているところが評価に値する

新型ステップワゴンは新型ノア&ヴォクシーへの刺客になり得るか

 ヴォクシー&ノアは、先代型の時点で基本設計が古く、すべてを刷新しないと進化させるのが困難だった。現状維持に留めるマイナーチェンジか、それとも思い切ったフルモデルチェンジかの二者択一だ。

 トヨタは後者を選んだ。先代ヴォクシー&ノアにエスクァイアも加えた3姉妹車は、2015年に1カ月平均で1万7000台以上も登録されている。2021年のヤリスシリーズ(ヤリス+ヤリスクロス+GRヤリス)と同等だ。フルモデルチェンジが迫った2021年でも、ヴォクシー系3姉妹車の登録台数は、1カ月平均で1万台を上まわった。

 しかも今のトヨタの売れ筋は、ヤリス、ルーミー、ヤリスクロスなどが中心でコンパクト化が進んだ。売れ筋価格帯が300〜370万円で堅調に売られるヴォクシー&ノアは、国内の基幹車種だから、すべてを刷新するフルモデルチェンジに踏み切った。先代型に比べると、エンジン、ハイブリッドシステム、プラットフォーム、安全装備、運転支援など、大半の機能が新しくなっている。

 その代わり莫大な開発費用を投入したから、失敗は許されない。そこでとくに安全装備、快適装備、運転支援機能に力を入れた。大量に保有される先代ヴォクシー/ノア/エスクァイアのユーザーが、「ここまで進化したなら新型に乗り替えたい」と思わせるミニバンに仕上げている。

 いわば退路を断った渾身の力作だから、ステップワゴンとヴォクシー&ノアのライバル同士を総合的に比べると、後者の勝る点が多い。

 しかも、ステップワゴンの開発者は「ミニバンを購入するお客様の70%は、存在感の強いフロントマスクなどオラオラ系の外観を好む。そこでステップワゴンは、残りの30%をねらって、リラックスできる雰囲気に仕上げた」としている。ヴォクシー&ノアとの真っ向勝負を避けるため、最初から腰が引けているのだ。

 そしてリラックスできる雰囲気を重視するなら、外観の穏やかなエアをしっかり作り込む必要があるのに、安全装備のブラインドスポットインフォメーション(後方の並走車両を検知して知らせる機能)やオットマンなどは、オラオラ系に近付けたスパーダでないと装着できない。車両のコンセプトと、グレードや装備の間に矛盾も生じている。

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