路線バスが信号の青赤タイミングを操作できる! 秘密機器「PTPS」の正体とは?

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路線バスが信号の青赤タイミングを操作できる! 秘密機器「PTPS」の正体とは?

この記事をまとめると

■警察庁が取り組みを進めるUTMSの一環で路線バスの一部にはPTPSが搭載されている

■バスの通行に合わせて信号を調整することで路線バスなどの定時運行を実現する

■公共交通機関が便利になって利用客が増えれば最大の環境性能が発揮されることになる

公共交通機関の運行をスムーズにするシステム

 PTPSとは、「パブリック・トランスポーテーション・プライオリティ・システム」のことで、公共車両優先システムを指す。

 警察庁が取り組みを進めるUTMSのひとつに位置づけられる。UTMSとは、「ユニバーサル・トラフィック・マネージメント・システム」のことで、新交通管理システムと訳されている。

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 新交通管理システムには、高度交通管制システム/公共車両優先システム/車両運行管理システム/交通公害低減システム/安全運転支援システム/緊急通報システム/歩行者等支援情報通信システム/現場急行支援システムがある。それらを実現するため、一般社団法人UTMS協会が組織されている。

 これらのうちPTPSは、光ビーコンと呼ばれる赤外線の検知装置を活用し、バスの通行に合わせて青信号を延長したり、赤信号を短縮したりすることにより、路線バスなどの定時運行を実現する仕組みだ。

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 鉄道と違い、混合交通のなかで自家用車などとも一緒に走る路線バスの場合、時間帯によって渋滞などに巻き込まれると、定時での運行が難しくなる。そこで、バス専用レーンとPTPSを併用することにより、運行を的確にし、利便性を高めることができる。

 バスやトラックを含めてクルマの環境性能は、単体での排出ガス浄化や燃費も重要だが、発進と停止を繰り返す交通状況では、排出ガスの状態を悪化させやすくなる。速度変化が少なく巡行しているときに最大の環境性能は発揮される。そこで、渋滞緩和を目的に高度交通システムの導入が促されている。

 また、たとえ1台のクルマの環境性能が高くなっても、公共交通機関を利用することによる環境負荷の低減は圧倒的優位性を持つ。たとえば、東京の東急電鉄では、100%再生可能エネルギーの電力での全路線の電車運行を実現し、実質的な脱二酸化炭素を決めたという。こうなると、電気自動車(EV)で移動するより、電車を利用したほうがひとりの移動における環境負荷は少なくなる。

100%再エネ電力による東急電鉄の運行イメージ画像はこちら

 路線バスにおいても、利用する人が増えれば、総合的な環境保全が大きく前進する。その点において、PTPSは効果を発揮する。

 クルマの利便性は、公共交通機関と別の価値があるのはもちろんだ。しかし、クルマしか利用しないということではなく、EVと公共交通機関の適度な使い分けが、環境保護をより前進させるといえるだろう。路線バスも、ハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)が導入されはじめている。とくに都市部では、それらがPTPSでより効率的な運用がされれば、環境負荷を少なく、それでいて定時運行されることによるバス利用も促されることになるのではないか。

名前:
御堀直嗣
肩書き:
フリーランスライター/2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
現在の愛車:
2009年型トヨタ・プリウス
趣味:
乗馬、読書
好きな有名人:
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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