日本にEVを普及させる特効薬として大期待
「軽自動車のEVではなく、アリア/リーフという兄を持つEV三兄弟の末っ子」としてサクラを位置付けているのだと、デザインをひと目見た瞬間に伝わってきた。三菱のeKクロスEVはガソリンモデルとほぼ変わらないデザインを採用していたのに対し、サクラは外板を作り直し、専用のデザインを与えていたからだ。
【関連記事】日産と三菱が開発する「軽自動車の電気自動車」が生活を変える! 「軽EV」こそ日本のEVの「理想像」である理由
画像はこちら フロントフェイスは、アリアと共通のモチーフとなる光るVモーショングリルからシームレスに仕上げられ、次世代の日産車らしい存在感を放つ。無駄なものを削ぎ落としつつ、なめらかで豊かな面や、ノーズ先端からリヤエンドまで貫かれるシャープなキャラクターラインで、上質感とともに凛とした芯を感じさせる、大人の雰囲気をたたえていた。
画像はこちら
軽自動車初となるプロジェクタータイプの3眼ヘッドライトや、格子に着想を得たワイドなLEDリヤコンビネーションランプ、日本伝統の水引をモチーフとしたアルミホイールなど、先進性の中にも確固たる歴史を秘めているような、重みのある印象となっている。
画像はこちら
ボディカラーにもこだわり、アリアのイメージカラーでもあるアカツキサンライズカッパーをはじめ、四季の彩りを表現したツートーン4色を含む、全15色。名前のとおり、咲き誇る桜のようなブロッサムピンクも設定されている。
画像はこちら
ドアを開けて乗り込んでみると、インテリアもデイズの面影がすっかり消え、専用のデザインとなっていた。7インチのアドバンスドドライブアシストディスプレイを採用したメーターと、9インチの大画面となったナビゲーションディスプレイを水平方向に置いたインパネは、もはや軽自動車の延長ではなくれっきとしたEVのそれ。シフトレバーもコンパクトな電制シフトに変えられている。
画像はこちら
ゆったりとしたソファーデザインのシートは、肌触りのよいファブリックが前席・後席ともに使われているほか、乗員をぐるりと囲むようにファブリックがあしらわれて優雅な空間を作り出す。必要な収納スペースは確保しつつも、まったく生活感が出なさそうな洗練されたインテリア。
画像はこちら
外観に通じる格子のモチーフがドアなどにもあしらわれており、デザイナーが伝えたい世界観が統一されている。カラーは「G」にオプションのやさしいアイボリーとなる「Premium」と、標準設定が「Black」および「Beige」。こうしたセンスの良さはデイズのときにも感じたが、それを上まわっているのがサクラだ。
画像はこちら
メカニズムの基本的なコンポーネンツは三菱のeKクロスEVと共用なので、20kWhのリチウムイオンバッテリーを薄型のユニバーサルスタックにし、フロア下に敷くことでデイズと遜色なく広い室内空間を確保。当時、高級セダンのフーガの後席と同等だと謳われた、後席足もとの広さも健在だ。
画像はこちら
シートアレンジも犠牲になっていないが、もともとデイズの後席が左右一体式のスライドなので、サクラも同様。
画像はこちら
家族で使う場合には、左右別々でスライドができるほうが使い勝手が広がるが、サクラはパーソナルユースがメインだと割り切っているところもあるかもしれない。前倒し操作は5:5分割で左右独立してフラットにすることができる。また、シートヒーターはパッケージオプションとなっている。