芸術への冒涜か? スーパーカーとて単なるクルマか? フェラーリ様やランボ様を「イジる」行為はアリかナシかオーナーが決着 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■フェラーリのようなスーパーカーをカスタムすることには賛否両論がある

■昔のスーパーカーには欠陥も多く、それらを改善するためにカスタムする人も多かった

■現在のスーパーカーは改善の余地がなく、ちょっと寂しい

オリジナルで乗ろうがカスタムしようがそれはオーナーの自由だ

 編集部から、またまた無遠慮な質問が届いた。

「芸術品のフェラーリ様をイジるとかいいんでしょうか?」

 むむっ。

「フェラーリに限らず、スーパーカーのカスタムってアリなんですか」

 その口ぶり(メールだけど)には、明らかに「邪道だろ!」というニュアンスが感じられた。クルマを自分のものにした以上、なにをどうしようと本人の勝手だ。違法でない限り、誰に文句をつけられる筋合いでもなかろう!

  

 が、時代の流れは明らかにオリジナル優位。カスタムは「芸術品をメチャクチャにする行為」という雰囲気になっている。その背景には、現代のスーパーカーの出来があまりにも完璧になり、カスタムしても性能の向上はまず考えられないどころか、「絶対性能落ちてるだろ!」と推測されるという事実がある。

  

 が、昔……というより、20世紀中はそうじゃなかった。たとえばフェラーリにしても、360モデナまでは明らかに設計段階の欠陥があり、それを直してちゃんと走るようにするという作業は、間違いなく正義だった(と個人的には信じる)。

 モデナの欠陥は、主に空力にあった。フェラーリの市販車として初めて本格的なリヤディフューザーを装備し、高速域で大きなダウンフォースを得たはずなのに、高速域でリヤがフラフラして無茶苦茶怖い。いったいこれはどういうこと?

 対策として、まずは手っ取り早く「リヤの車高を下げる」から手を付け、続いてスプリングとダンパーを信頼できるファクトリーに特注して交換。ノーマルよりしなやかに動く足を得たことで、走りは見違えるように安定したが、それでも超高速域では不安定だったので、最後の手段として、エアダムやディフューザーなどの空力パーツを、チャレンジストラダーレ(360モデナの限定軽量レーシングモデル)と同じ形状のもの(中国製のパチもん)に交換し、完璧な仕上がりとなった。

 フェラーリ本社も、360モデナの空力には問題があったことを認めたからこそ、チャレストの空力パーツ形状を変更したに違いない。


清水草一(永福ランプ) SHIMIZU SOUICHI

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愛車
フェラーリ328 GTS/ランボルギーニ ・カウンタック アニバーサリー/BMW 320d(先代)/ダイハツ・ハイゼットトラックジャンボ(90年製)
趣味
原稿を書くこと
好きな有名人
斉藤由貴、菊池桃子

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