ガチ金持ちは6輪車を選ぶ時代! 世界の悪路を爆走する「6輪SUV」が常識外すぎて笑う (1/2ページ)

この記事をまとめると

■SUVを6輪車にするカスタムが多く存在し海外では人気がある

■設置面積を稼げることからパフォーマンス向上に効果があり軍用車でも使われる

■ピックアップトラックの多いアメリカで人気があり、ハイパフォーマンスモデルもある

世界中にある個性派6輪車を紹介

 6輪車といえば、昭和40年代生まれは即座に「たいれる」とひらがなの字面まで思い浮かべることでしょうが、ミレニアルとかZ世代にとってはAMGのG63 6×6や、フォードのスーパートラックF450 Super Dutyがツボ。ティレルのF1マシンP34の場合は、フロントタイヤを小径化することで前面の抵抗を減らすことが主な目的でしたが、新世代6輪マシンは果たしてどんなコンセプトがあったのでしょう。

 AMGがGクラスのリヤタイヤを4輪に増加しG63 6×6(6輪駆動)としてリリースしたのは2014年のことでした。世界限定100台とされ、日本の割り当てはわずかに5台。ちなみに、国内では8000万円のプライスながら完売。ただし、そのうち数台はプレミアム上乗せして国外に転売されたとの情報もあり、何台残っているかは不明です。

 そもそもは中東の王族、またはオイルダラーによる特注らしく、正式リリース以前にも6輪化されたGヴァーゲンはあったようです。ご承知のとおり、かの地では郊外=砂漠なので、砂地での走破性、さらにお金持ちならではのこだわり「もっと速く!」がマストオーダー。このうち、走破性についてはタイヤの本数が増えれば、それだけ接地面積が増えてグリップには有利となるはず。

 ただ、ホイールベースもタイヤ1本分は延長されることになるので、アプローチアングル、すなわち砂の丘陵なんかに出くわした時は不利。なはずですが、ドバイのランクル砂漠ツアー動画なんかを見ていると「そんなの関係ねー」とばかりにシャシー底面を砂地に潜り込ませ、パワーにものを言わせて脱出してますね。
で、4輪より6輪の方が「速い」のかというと、じつに微妙ではないかと。

 仮に同じパワーだとしたら、タイヤ2本分シャーシ、足まわりの重量が嵩むので不利。ただし、砂地という場面では6輪駆動の方が比較的ロスなくパワーを使えるはずなので、もしかしたら「いくらか速い」かもしれません。

 いずれにしても、AMGの中東担当セールスマンはどうやって売り込んでいるのか興味深いものです。「え? クウェートからアラブを陸路? だったら6輪で500馬力はないとねぇ」「ホイールベースが伸びるので、乗り心地もよござんす」「まだ4輪でご満足ですか? お隣の王様は6輪化しましたけど」なんて調子でしょうかね。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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