ハイブリッドの仕組みやメリット・デメリットを解説! おすすめのモデルも紹介 (1/3ページ)

この記事をまとめると

■ハイブリッドシステムについて解説

■使い方次第ではハイブリッドシステムがムダになってしまう

■新車購入でも中古車購入でも熟考する必要性がある

 いまや軽自動車から大型ミニバン、輸入車に至るまでラインナップされているハイブリッド車。あまりに浸透しすぎて、いまさらハイブリッド車がどういうクルマなのかを聞けない…という方も多いのではないでしょうか。そういう方向けにハイブリッド車を改めて説明していきます。

ハイブリッド車とは?

 そもそも「ハイブリッド(hybrid)」とは、異種のものの組み合わせを意味する言葉。ハイブリッド車とは2種類以上のパワーユニットを備えた自動車のことを指します。

 一般的には、エンジンと電気モーターを組み合わせた車両をハイブリッド車と呼び、1997年に登場した初代プリウスから国内外で普及していきました。環境に優しいとイメージされるハイブリッド車ですが、現在はスポーツカーメーカーのポルシェやフェラーリもモーターのパワーやトルクを活かしたハイブリッド車をラインナップするようになっています。

ハイブリッド車の仕組み

 ガソリンなどを燃料とするエンジンと電力を用いて動くモーターをともに搭載する車両が主にハイブリッド車と認識されています。

 現在、様々なハイブリッド車が登場し車種やメーカーによってそのシステムが異なっていますが、ガソリン車と比べ、エンジンとモーターの動力をかけ合わせて走行するのがその仕組みと言えるでしょう。

 ハイブリッド車のパイオニアであるプリウスは、発進時にバッテリーの電力を使用しモーターでスタート。通常走行時は主にエンジンからの動力で走行し、エンジンの力で動かすジェネレーターから発電された電力や、減速時に発生する回生エネルギーを使用しモーターを動かすことでエンジンの駆動力を補助する「スプリット方式」と呼ばれるシステムを採用しています。

 一方、日産自慢のハイブリッドユニット“e-POWER”は車両を走らせるために使用するのはモーターの駆動力のみ。エンジンはモーターを動かすための発電に用いられる「シリーズハイブリッド方式」と呼ばれるシステムです。

 その他、スズキなどが軽自動車やコンパクトカーに搭載するマイルドハイブリッド、ホンダがフィットやステップワゴンに搭載する“e-HEV”など細かい違いはありますが、基本的にハイブリッド車はエンジンとモーターそれぞれの力を利用して走行するクルマだと認識しておけば問題ありません。

ハイブリッド車が低燃費を実現させる理由

 ハイブリッド車は一般的にガソリン車と比べると燃費が良いとされています。とくに、発進・停止を繰り返す市街地や、アップダウンが激しいワインディングロードの走行ではガソリン車と比べ大きな差がでます。

 なぜ、ガソリン車と比べハイブリッド車の燃費が良くなるかを詳しく説明すると、かなり長くなるため要点をまとめると、

「発進時や加速時に、ガソリンエンジンは低回転時のエネルギー効率が悪くトランスミッションを利用し効率の良い低回転域をギアで切り替えながら発進・加速するが、モーターは回転数によって効率が変わることはあまりなく低回転域で大きな力を出すことができる。よってエンジンのみのガソリン車と比べ加速時の燃費効率が良くなる」

「減速時、ガソリン車の運動エネルギーは最終的に熱エネルギーに変換され捨てられることになるが、モーターは減速時に回生が行われることで電力を得ることができバッテリーに蓄えられる」

 この2点がとくに燃費の差を生む要因と言えます。

 逆を言えば、高低差や加速・減速が少ない高速道路でのドライブ時にはガソリン車とハイブリッド車に燃費の大きな差はありません。

ハイブリッド車のバッテリー寿命

 EVにも言えることですが、気になるのは駆動用バッテリーの寿命。ハイブリッド車が普及し始めた黎明期のバッテリーはかなり寿命が短かったと言われています。

 しかし、現在はバッテリーの性能や寿命が伸びたことで一般的には15万km〜20万km、もしくは10年が交換の目安とされています。

 余談ですが、初代プリウスの前期型は駆動用バッテリーが無償永久保証となっていました。それだけバッテリー性能が低く、寿命が短いと想定されていたんですね。

 初代プリウスに搭載していたバッテリーはニッケル水素電池で容量や性能は288V 1.8kWh 95L 74kg 240セル。一方、4代目プリウスに搭載されるバッテリーはリチウムイオン電池で207V 0.8kWh 30L 25kg 56セル。リチウムイオン化したことで、とくに小型化されていることがわかります。


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