同じ「嫌な客」でも売るか売らないかは「感情論」じゃない! 新車セールスマンの「お客の見極め方」とは (2/2ページ)

多くの紹介客が舞い込むことも!

 南カリフォルニアの某レクサス店に勤務するアジア系の優秀セールスマンに話を聞くと、「中国系の人でレクサス車を購入するような、一代で事業を成功させたようなお客様は、値引き交渉もかなりシビアなものとなるので、嫌がるセールスマンも目立ちます。確かに、条件交渉はかなりシビアなものとなりますが、注文がもらえるとその人の口コミで次々と注文が舞い込んできました」とのこと。このセールスマンによると、アメリカの一般的な富裕層は日曜日に買い物はしない(どこかに遊びに行っているか、パーティなどをしている)が、とりあえず日曜日に店を開けていると、東南アジア系の人でやはり事業に成功し、レクサス車が欲しいというフリーの来店客があるそうだ。

「フリーのお客様で、しかも東南アジア系となると素性を心配し、契約をもらっても厄介なことも発生しやすいので、積極的に相手にする同僚は少ないのですが、私は積極的に相手をします。確かに支払いなどで面倒が起きやすいのですが、中国系のひとと同じでひとりにクルマを売ると、芋づる式というのは語弊がありますが、紹介客が多く舞い込みます」(前出セールスマン)。

 このセールスマンに積極的には相手をしたくないお客について聞くと、「インド系の人ですね、条件交渉のシビアさは中国系の人を超越しています。しかし苦労して販売しても、経験からいくと中国系の人のように新たなお客を紹介してくれることはまずなかったです」と答えてくれた。

 セールスマンは単に感情的なものでNGかどうかを判断しているわけではない。そのお客につきあうことで発生するであろうリスクが許容できたり、紹介客がもらえそうなら、そのまま販売してしまう。つまり判断基準はあくまで損得勘定、つまり「損するのか、それとも得するのか」に徹するのが大原則。そこに感情的判断がメインで入り込むようでは一人前とは言えないとも聞いたことがある。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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