かつて新車ディーラーは夜間も営業!? バブル期のセールスマンが経験していた意外とおいしい「当直」の中身 (2/2ページ)

連休時に来店すると好条件を提示される場合も

 地区販売担当の重役も本社に出勤しており、「新車購入を検討しているお客が来店して、値引き交渉になったら直接相談するように」という指示が電話できたとも話してくれた。「店長など中間を通さずに直で値引き額の上乗せ交渉ができるので、通常営業日より好条件は出やすかったですよ」(関係者)。

 よく考えれば、ディーラー自体は休みなので、トラブル発生の連絡を受けてもロードサービスを紹介することしかできない。それならお客が直接ロードサービスに連絡すればいいといった話や、バブル崩壊により経費節約が厳しく求められるようになったりして、当直勤務はなくなっていったようだ。

 今後は新車販売現場でのさらなる人手不足対策や国内の新車販売市場の縮小などへの対応により、ディーラー店舗の統廃合が進むともいわれている。その過渡期には店頭に銀行のATMのようなものが置かれ、“AI(人工知能)セールスマン”を相手に商談をするようなことにでもなれば、当直勤務などを設けなくても、昼間は案内係を店舗に置き、機械入力メインでの新車購入ということになるかもしれない。そして夜間やそれこそ長期間ディーラースタッフは休みを取るにしても、店舗は無人で年中無休、そして24時間新車が購入できるようになる可能性もある。もちろん自宅からパソコンを活用したオンライン購入も並行して普及していくことになるだろうが、筆者のような年配のクルマ大好きオジさんとしては、新車購入時はやはり店頭に出向いてあれこれリアルにやりたいという思いもあるので、機械入力になろうとも店舗に出向くという“儀式”は残してもらいたいとも考える。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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