30メートル超えリムジン! 恐らく世界最速の消防車! クルマにまつわる笑うしかない衝撃記録5つ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマに関係するギネス記録がいくつかある

■耳を疑うような驚きの記録も

■この記事では5つの事例を挙げて解説する

世界最長のリムジンは全長30メートル超え!

 記録というものは破られるためにある、などとのたまう方もいるようですが、たいていのギネス記録というのはウケ狙いであることが多いような気がします。昔はそうじゃなかったのかもしれませんが、今はちょっとしたコマーシャルというか「その記録、役に立つの?」と、戸惑うことも少なくありません。ところで、クルマのギネス記録も我々クルマ好きからすると「だから?」みたいなものもあるっちゃあるのですが、なかには胸アツになったり、耳を疑うような驚きの記録もあるのです。玉石混淆ではありますが、ご紹介してみましょう。

「世界最速の消防車」

 最初はギネス公式記録ではないのですが、チョッ速な消防車って気になりますよね。10リッターターボディーゼル搭載? とか、給水タンクの空力抵抗どうなってんの? とかね。ですが、ネタを明かせば「日産GT-Rの消防車仕様」といういささか拍子抜けというか、その手はちょっと……となるようなパターン。だって、GT-Rのホニャララ仕様を作ったらなんでもかんでも「世界最速」になりそうですからね。

 ただし、この消防車仕様GT-Rは本家本元の日産が本気で作り、日ごろ世話になっているニュルブルクリンクに寄贈したというのですから、ささやかな美談といえなくもありません。おそらく、GT-Rもテスト中にタービンから吹いたオイルが排気系に飛び散って火災を起こしたなんてことがあったのかもしれません。が、20km以上の距離があるコースですから、ケッセルヘン(およそ12km地点)やカルーセル(同14km地点)などで事故を起こすと「消防車くる前に燃え尽きちゃうよ!」と大変なことに。

 で、ゴーン元社長が「だったらGT-Rを消防車にしちまえ! メルシー」と鶴の一声、みたいな経緯だったのかもしれません。いずれにしても、実利もありつつ夢もあるわけでGT-R伝説の1ページを彩るにふさわしいエピソードかと。

「世界最長のリムジン」

 リムジンというのは乗り心地のいいセダンをストレッチ(延長)することが多いのですが、全長30メートル超えとなると「それ、シロナガスクジラじゃね」と訝りたくもなります。「American Dream」と名付けられたこちらには、そのスケールを活かしてゴルフのパット練習グリーンやジャクージ、テールエンドには小型ヘリコプターが離発着できるヘリポートまで備えられているぶっ飛びリムジン。

 ご承知のとおりアメリカはこうしたおバカな記録が生まれやすいお国柄ですが、注目すべきは現在のオーナーが総額25万ドル以上をかけてレストモッドをしたというポイント。American Dream号は1986年の発表当時こそスポットライトを浴び、映画出演まで果たしたものの、その後はほったらかしで朽ちるがままといった状態だったようです。

 そんなクズ鉄を、テーマパークを運営する現在のオーナー、マイケル・ディーザー(Michael Dezer)氏が買い取り、3年の月日をかけてレストモッド! で、自身のテーマパークに展示し、時には動かすこともあるというから驚きです。一応、車体中央にジョイント部分があり、ここが折れることで「カーブも曲がれるよ」とのこと。いかにもアメリカンなギネスストーリーですが、このレストモッドの情熱にはちょっと目頭が熱くなりかけました。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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