安全装備を重視! ステータスは求めない! 自動車ジャーナリストのクルマ選びの決め手【山本晋也編】 (2/2ページ)

クルマを“ステイタスを示す記号”として捉えない

 新車をターゲットに次期愛車を考えるときの基準として重視しているのが「そのクルマに乗っている自分の姿を想像できるか」です。もちろん、ただ運転席に座っているだけであれば、どんなクルマでも予想はできます。ここでいうのは、そのクルマがある生活、カーライフが自分にとってポジティブなものと想像できるかどうか、という話です。

 たとえば、過去にザ・ビートルカブリオレという4名乗車のオープンカーを所有していたことがあります。このときは子どもが就学前で「屋根を開けた状態で後席のチャイルドシートに座らせるのは動線として良さそう」と想像したことが購入のきっかけとなりました。子どもがクルマに酔いそうになったときも、スイッチひとつでキャンバストップを開ければ空気が入れ替わるのでいいのでは? という想像もありました。

 とはいえ、年齢や環境、家族構成に応じてライフスタイルは変わるものです。特定のモデルにこだわりを持つのも悪くないと思いますが、自分としては生活の中でストレスなく楽しめることを重視しています。さらにいえば、そのクルマに乗ることで生活が変わる可能性にも期待している部分があったりするでしょう。

 現在、乗っているエブリイバンにしても、家族で気ままな車中泊ドライブを楽しみたいというライフスタイルを求めての選択です。ある意味、新型コロナウイルスによる新しい生活様式に対応した選択ともいえます。

 そして、もっとも重視しているのは「クルマは見栄を張るための道具ではない」という点です。ともすれば、本音の部分で「高級車・高価格車に乗っていれば偉い」と考えてしまうクルマ好きもいるかもしれませんが、ステイタスを示す記号としてクルマを捉えないよう意識しています。

 過去にクラウンを乗っていたこともありますが、けっして「いつかはクラウン」と思って購入したわけではなく、そのクラウンに搭載されていた3.5リッターV6エンジンに惚れて乗っていたというのが正直なところ。実際、クラウンからビートルカブリオレに乗り換えていますし、現在は軽バンに乗っているくらいですから。

 もちろん、自動車にそうした部分での価値があることは否定しませんが、自分のクルマ選びとしては、見栄といった要素には、あえてこだわらないのが方針です。

 また、特定のメーカーやカテゴリーに限定すると、選択肢が狭まってしまいます。仕事柄、常に視野を広くすることにも気を付けています。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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