カタログじゃ絶対わからない! クルマの購入前に確認しないと後悔する8つの盲点とは (1/2ページ)

シートの座り心地などは実際に座って体感しなければわからない

 新車を購入する際、カタログやメーカーのサイトをじっくりと眺め、ショールームで簡単に確認し「よし、これがいい」と、1台のクルマに決めたのはいいものの、実際に所有し、使い続けていると「あれれ、これはないだろ!」と感じることがあったりする。そう、カタログやメーカーのサイトをいかに詳細に見ても、分からない“盲点”が見つかった時だ。

1)シートの掛け心地

 たとえば、シートのかけ心地。カタログでかけ心地のいいシートのように見えても、シートの合う、合わないは人それぞれ。実際、ボクが快適だと思うシートが、ほかの人だと、しっくりこない……となるケースがありうる。体形、座高、腰痛などの持病など、さまざまな要素によって、やはり合う、合わないがあるのがシートなのである。ショールームで着座するだけではなく、実際に試乗して、ある程度の距離を走ってみないと分からないあたりが、じつは盲点と言える。

 その際、後席に誰かを乗せる機会が多いなら、後席、ミニバンの3列目席の座り心地もチェックしたい。クッション性は当然として、ひざを大きく抱えるような姿勢=体育座りにならないかもポイントだ。体育座りになってしまうと、お尻だけで体重を支えるようになるため、体形によって快適とは言えない可能性があるからだ。シートは運転、乗車中、常に身体と接している部分だけに、ぴったりのシートを選ぶべきなのだ。

 ちなみに、シートにはファブリックと本革が用意されていることもあるが、ショールームにファブリックシートの展示車、試乗車しかなく、しかし思い切って、座ったことのない本革シートを注文。これも注意が必要だ。ファブリックシートのかけ心地が気に入っても、本革シートは表皮の張りが硬めなことが多く、小柄な人や体重が軽い人だと、より硬めに感じられ、フィットしないことがあるからだ。

2)後席の広さ

 そもそも後席の広さもカタログ、サイトではわかりにくい。前席をかなり前に出して撮影している可能性があるからだ。実際に運転手のドライビングポジションを決めて、その背後に座ってみないと、リアルなスペースはわからない……。大柄なSUVでも、けっこう後席が狭いクルマもあるから要注意。

3)乗降性

 同時に、降車性も確認したい。つまり、着座姿勢から、スルリとお尻をすべらせ、足の裏が地面につきやすいか(降車しやすいか)。そしてシート端とボディサイドの距離の大小も降車性の良しあしにかかわってくる。フロアの高いSUVなどはとくにチェックが必要だ。

 また、背の低いクルマでも、シートサイドが立っていて硬いと、じつは降りにくい。このあたりはどんなカタログ、サイトにも書かれていない実用性の盲点かもしれない。

4)シートアレンジのしやすさ

 シートアレンジの豊富さ、アイディアをうたうクルマも少なくないが、問題はアレンジのしやすさ、簡便さ。たとえば、新型ダイハツ・タントは、シートアレンジは多彩なものの、後席のアレンジはけっこう重い(個人の感想です)。

 めったにしなければいいが、大きな荷物を積むことが多いなど後席をさわる機会が多いなら、ぜひ、実際に操作してみてほしい。逆に、トヨタのヴォクシー&ノアの3列目席格納は、ほぼワンタッチ。ダンパーによって、シートが自動で跳ね上がり、畳まれる感じだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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