クルマから鉄道へ!? EVの劣化したリチウムイオン電池の「第二の人生」とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■車載されたEVのリチウムイオンバッテリーは再利用する仕組みが構築されている

■EVで使用できなくなったリチウムイオンバッテリーの多くは定置型の蓄電池として活かされる

■EVに関しては単一商品でのライフサイクルアセスメントを比較することに意味はない

リチウムイオンバッテリーの保証が容量の70〜75%となる理由

 電気自動車(EV)に車載された駆動用のリチウムイオンバッテリーは、製造時に二酸化炭素の排出量が多いといわれる。だが、それを理由に製造から廃棄までのライフサイクルアセスメントにより、EVの環境性能と高効率なエンジン車との環境負荷に大きな差はないと論じるには不都合がある。

 車載されたEVのリチウムイオンバッテリーは、廃車後もなお60~70%の容量を残す。実際、トヨタも日産も、車載のリチウムイオンバッテリーの保証は70~75%としている。そこまで容量が下がった場合には、バッテリーを積み替えるのが望ましい。積み替えに際し、日産は良質の中古バッテリーを再利用する仕組みを構築しており、バッテリー代金は新品の約半分で済む。

 車載のリチウムイオンバッテリーの保証がなぜ70~75%かというと、一充電走行距離が短くなるのはもちろんだが、加速性能が落ちるからだ。加速が鈍ると、たとえば高速道路での合流などで交通の流れに乗るための瞬発力が衰える。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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