メンテはできて当然! MTでこそクルマ! ステレオタイプな「クルマオタク」はもはや過去のものだった (2/2ページ)

所有していないがクルマ好きというケースも

4)AT限定免許だけど何か?

 警視庁が毎年発表している運転免許統計(令和3年版)によると、普通免許の受験者数1,660,306人のうち、AT限定の受験者数は1,191,053人。これは、過半数の人がAT限定を選択していることを意味します。

 クルマオタクやマニアを自称するなら普通免許一択だろう! という声が聞こえてきそうですが、新車であれば特定のモデルでない限り、ほぼAT限定免許でなんとかなります。これは最新のスーパースポーツも例外ではありません。

 ただし、旧車やネオクラシックカーを所有してみたいと考えている場合は例外です。AT限定免許だとかなり選択肢が限られますし、古いクルマだとそもそもATの設定がありませんから……。

5)「女だてらに」はもはや古い?

 デートカーが人気だった昭和末期や平成初期、つまりバブル期の感覚であれば「女性は助手席に座るもの」だったのかもしれません。事実、この時代に女性がスポーツカーに乗っていると「女だてらに!」といわれたそうです。

 この頃のテレビドラマを観ていると、オフィスが映る場面で女性社員が手分けして各テーブル(男性)にお茶を出すシーンがあってびっくりします。今でもこの伝統が残っている会社ってあるのでしょうか……。

 SNSやYouTubeをみていると、自身の愛車やカーライフを発信している女性も珍しくありません。その人気っぷりは、クルマオタクやマニアのおじさんたちは到底太刀打ちできないほど。そもそも男女のフィルターでみようとする行為自体、今の時代にはナンセンスといえます。

6)クルマを買ったことがない

 都市部に住んでいるのでそもそもクルマが要らない(でもクルマオタク)、レンタカーやカーシェアリングでOK!(でもクルマオタク)、本命のクルマ以外は買うつもりはない(でもクルマオタク)、じつはまだ高校生(でもクルマオタク)。

 さまざま事情や理由でクルマは所有していないけれど、自他ともに認めるクルマオタクやマニアの人もいます。「クルマを所有していないからオタクやマニアとは認めない!? なんて器量の小さい!」と連邦軍の某ニュータイプに怒られてしまいますよ。

7)そもそも免許がない

 クルマを買ったことがないオタクやマニアの人がいるということは、運転免許を保有していない人もいるわけで……。

 工業製品としてのクルマではなく、観賞用のコレクションとして保有したり、特定のメーカーやクルマが好きという人もいるでしょう。あるいは、クルマのことは分からないけれど、F1などのモータースポーツが好き&詳しいという人がいてもいいわけです。

 さらには、幼少期のお子さんがとんでもないオタクやマニアということもあるわけで……。少なくとも、記憶力ではおじさんたちは太刀打ちできません。

まとめ:自分と異なる価値観を受け容れるか?

 今現在、サッカーW杯が行われています。寝不足覚悟で、自宅やスポーツバーなどでテレビモニターに釘付けという人も多いでしょう。しかし、筆者のように締め切りに追われていたり、明日、早起きしなければならず、泣く泣く就寝中という人も大勢いるはずです。

 熱心なサッカーファンからはめちゃくちゃ怒られそうですが「観たくても観られない」という人もいれば、「そもそも興味がない」と熟睡中の人だっているわけです。何しろ深夜2時近いですから無理もありません。

「〜あるべき」「〜しなければならない」など、それは確かに正論かもしれないけれど、時にその思考や指摘がプレッシャーになることもあります。

 リアルな世界だけでなく、同じ趣味を持つ人同士がインターネットを通じて気軽につながることができる時代だからこそ、「いかにして自分と異なる価値観を受け入れるか(受け入れることができるか)」が大切なことではないでしょうか?


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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