サイレンは聞こえないけど赤色灯を点灯したパトカーが迫ってきた! これってどういう状況?

この記事をまとめると

■パトロールカーには赤灯とサイレンが装備されている

■サイレンを鳴らしていなくても赤灯を点灯しているときは警察活動中となる

■パトロールカーは目立つ存在なのでそれ自体が交通安全に資する

パトロールカーに期待されている活動とは?

 パトロールカーには赤灯とサイレンというふたつの装備がある。救急車や消防車も同様だ。いずれも、赤灯を点灯しながらサイレンを鳴らして走行しているときは、緊急車両の扱いになり、周囲のクルマは道を譲らなければならない。

 パトロールカーに関しては、赤灯だけを点灯させサイレンを鳴らしていない場合がある。このときは緊急車両ではないが、巡回中であったり緊急性のない現場へ向かうときであったりという扱いになる。そこで、パトロールカーといえども交通法規を守った走行が求められる。

 ただし、速度超過違反を取り締まるため追尾しているときは、違反車両と同じ速度でしばらく走り、速度を確認するため赤灯だけで走行し、違反が確定されるとサイレンを鳴らして取り締まる段取りになる。

 いずれにしても、赤灯を点灯しているときは、たとえサイレンを鳴らしていなくても警察活動中ということになる。これは白と黒のパトロールカーだけでなく、覆面といわれる通常の乗用車と同じ車体色のパトロールカーについても同様だ。

 白と黒の車体色のパトロールカーは、その存在があるだけで周囲は注目し、注意を払うことになるので、防犯に役立つ側面もあるだろう。さらに赤灯を点灯させていれば、警戒すべき何かが発生している可能性もあるので、慎重な運転が促され、違反などを防止する効果もあるのではないか。

 警察活動は、個人の生命や身体および財産の保護、犯罪の予防や鎮圧と捜査、被疑者の逮捕、交通取り締まりといった役目がある。その全体像からすれば、交通取り締まりにおいても、ただ違反者を取り締まるだけでなく、交通を安全かつ円滑に運用させる役目もあるのではないか。その点において、覆面のパトロールカーは単に違反の取り締まりを主体とする存在といえそうだ。それに対し、白と黒のパトロールカーは目立つ存在で、それ自体が交通安全に資するといえるだろう。

 交通を通じた人の移動は、衣食住と並んで暮らしを守る不可欠な行為だ。違反者を単に取り締まるだけでなく、違反が出ないよう予防しながら、警察は安全かつ円滑な交通の実現を促して欲しいと願う。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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