【試乗】第二のテスラになり得る実力! 1000馬力超えセダン「ルシード・エア」が想像以上の完成度だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■いま世界中の注目を集めているルシードのBEV「エア」に試乗した

■洗練されたインテリアは開放感にあふれており居住空間も広くて快適だった

■走りはBEVにありがちなぎくしゃくした動きがなく性格で安定したコーナリングも魅力的だった

BEVメーカーとして世界が注目するルシード

 世界ではいま、続々とBEVを市場へと送り出すためのベンチャー企業が誕生している。そのなかでもとくに大きな注目を集めているのが、アメリカのカリフォルニア州ニューアークに2007年車載用電池の開発や生産を目的にアティエヴァ社として創立され、のちにテスラからモデルSの開発などを手がけたピーター・ローリンソンをトップに迎えたことで新興BEVメーカーに転身し、一気にその存在を世界的に広めたルシードだろう。

 現在彼らが生産しているのは、「エア」と呼ばれるミドルクラスのサルーン。2022年にはアリゾナ州の工場から、そして2025年にはサウジアラビアの公共投資基金から10億ドルを超える資金調達を得て、さらに同国に新工場を建設。この巨大なファクトリーは2026年には稼働を開始する計画であるという。

 ルシードのエアには、そのエレクトリックモーターの数や、駆動方式などによってさまざまな仕様が設定される予定だが、今回、カリフォルニアで試乗したのは「グランドツーリング・パフォーマンス」と呼ばれるデュアルモーターの4WD仕様だ。

 ちなみに先日ルシードは、さらに高性能なトリプル・モーターの「サファイア」を2023年春に発売する計画を明らかにしたが、このグランドツーリング・パフォーマンスでも、その最高出力はトータルで1050馬力、最大トルクは1250Nmにも達する。参考までに二次電池はリチウムイオン・バッテリーで、その搭載量は118kWh。ルシードによれば満充電からの最大航続距離は446マイル(約714km)、0-60マイル(約96km/h)を2.6秒でこなし、最高速は168マイル(約269km/h)を達成するという。その運動性能は大いに魅力的だ。

 ルシード・エアのボディは、じつに洗練された、端正な造形が印象的なものだった。実際のボディサイズは、全長×全幅×全高で4976×2195(左右のミラーを含む)×1407mm。これに対してホイールベースは、サイドビューの画像からも想像できるように2959mmと十分な長さが確保されている。

 ちなみにフロントのトランク(ルシードはこれをフランクと呼ぶ)は283リットル、リヤのトランクには626リットルの容量が確保されているから、そのサルーンとしての実用性は、まずは高く評価してもよいだろう。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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