「どうしてそうなった?」頭を悩ませる謎のクルマの造形4つ! じつは然るべき理由があった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマには時折「どうしてそうなった?」と思うようなデザインが存在

■4代目スープラの高いリヤウイングなどが例として挙げられる

■この記事では4つの例を挙げてそのデザインが採用された理由を解説

使い勝手や機能性を追求した結果!

 街なかに停まっているクルマや道路を走っているクルマを見ると、「どうしてこんな形をしているの?」とか「こんな色にする必要があるの?」とか、不思議に思うデザインがあります。そんな“ふとした疑問”に、WEB CARTOPがお答えしましょう。はたして嘘かホントか!? 信じるのはアナタ次第!

 最新のクルマのデザインはコンピュータを取り入れていることが多いため、「えっ? これってどうして!?」と思うような形や構造は多くありません。ところが、設計者や製作技術者が「どうしたらクルマって便利になるだろう?」と頭を捻っていた時代のクルマには、「どうしてそうなった!?」と感じるディテールが結構存在します。

 たとえば、トヨタ・スープラは、国内はもちろん海外でも大人気の上級スポーツカーですが、現行モデルのひとつ前の4代目(1993年デビュー)に注目! 3リッター直列6気筒ツインターボが実現する280馬力と、当時の日本国内向け乗用車としては初となる6速MTが話題を呼びました。また、流麗で見るからに速そうなエクステリアにも話題が集中しまして、とくにボディ後方斜め上に高々と掲げられたリヤウイングが、当時の走り屋系ファンの琴線を刺激しました。が、コンサバ系のファンはその高さが「派手!」「下品!!」と拒否反応を示し、“リヤウイングなし”をオーダーする人も少なくなかったとか。では「どうしてそんなに高くなった?」かというと、運転中にルームミラーで後方確認をする際に視界を遮らないよう、リヤウイングの高さをちょうどルーフと同じ高さにしたから! 視認性、快適性を追求した、じつに“痒いところに手が届く”トヨタらしい配慮だったのです。

 高く大きなリヤウイングといえば、1970年のアメリカ車、プリマス・ロードランナー・スーパーバードを忘れてはなりません。トヨタ・スープラよりはるかに大きなリヤウイングが、ボディ後部トランクの端っこにそびえ立っています。もともとスーパーバードはNASCAR参戦のホモロゲーション取得のために開発されたモデルで、426馬力を誇る7リッターのHEMIエンジンを搭載したわずか300台のみという超プレミアムなクルマです。それにしてもボディとのバランスを欠くほど高すぎるリヤウイングを見た当時のアメリカ人も、「どうしてそうなった?」と感じたに違いありません。理由としてはNASCARの「レースで勝つためにエアロ効果を追求」したことが挙げられますが、じつはボディ後部の浅くて広いトランクを“支障なく開閉するため”という説もあります。モータースポーツシーンにおける空力性能と、日常での使い勝手を追求した結果が、この奇抜かつ個性的なリヤウイングなのです。


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