かつて「ソリッド」と「メタリック」しかなかったクルマのボディカラーの進化っぷりが衝撃だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■かつてクルマの塗装はメタリックカラーとソリッドカラーしかなかった

■しかしいま技術進化により、新たな塗装が生まれている

■光輝塗装は付加価値の高さを感じさせるがそのぶん高価だ

かつてはソリッドカラーとメタリックカラーのみだった

 かつてクルマの塗装は、ソリッドカラーかメタリックカラーのいずれかしかなかった。ソリッドカラーとは、いわゆる単色塗料のことで、溶剤に樹脂と顔料(色の粉末)を溶かしたもの、メタリックカラーとは、これにキラキラと輝く光輝材(メタル粉=アルミ粉)を混入したもので、この2タイプがクルマの塗装として主力を担ってきたことはよく知られるとおりだ。

 ところが、塗装技術の進化により、アルミ粉を使うメタリック塗装以外にも輝きを放つ塗料が考案され、メタリックとは異なる輝きを見せる塗装として、市場で人気を集めることになった。こうしたメタリック以外の輝きを持つ塗装に、どんなものがあるのか整理してみることにしよう。

 その前に、塗装の基本だが、ソリッド塗装は下地(プライマー層)、ベース色層、クリア層の3層塗装になることに対し、キラキラと輝きを放つ塗装は、ベース色とクリア層の間にさらに光輝層の塗装を持つ4層塗装になっていることを覚えておいてほしい。光輝塗装は、ソリッドカラーより一工程多い塗装となるため、コスト的に割高な塗装となる。

 まず、メタリック以外の輝きを放つ塗料として登場したのがパール塗装だ。その名称から、真珠を光輝材に使う塗料と思いがちだが、実際には雲母(マイカ)を使う塗料である。場合によって「パールマイカ」という名前が使われることもあるが、内容は同じである。雲母は、半透明の幕が幾重にも重なる構造を持つため、光が当たると層ごとに異なった反射を示し、真珠のような深みのある光沢を見せる素材である。

 また、このパール塗装と同じ考え方で作られた塗装方法がラメ塗装で、光輝材(ラメ)がパール塗装より粒子が粗い(大きい)分だけ、派手に目立つ光輝感となる。


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