売っても売っても儲からない! ダイハツとスズキ以外が軽トラックをやめたワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■軽トラックは国内の物流を支える中心的な存在だが実質的な車種数は少ない

■現在はダイハツ・ハイゼットとスズキ・キャリイとそれぞれのOEMモデルが販売される

■軽トラックはほとんど儲からないため、メーカーや販売店の心意気で成り立っている商品だ

年間17万台が売れている軽商用トラック

 2022年には国内で約420万台の4輪車が販売され、その内の約18%を商用車が占めた。そして商用車の販売総数の内、55%が軽商用車であった。

 2022年には国内で新車として売られたクルマの39%が軽自動車だったが、商用車に限れば半数以上に達する。軽自動車といえば、N-BOXやタントのような軽乗用車を思い浮かべるが、普及率は軽商用車のほうが高い。物流を支える欠かせない存在だ。

 そして、軽商用車はバンとトラックに大別され、軽商用車全体に占める軽トラックの割合は41%だ。都市部の街なかで多く見かける軽商用車は主にバンだが、農業が活発な地域では、軽トラックが活躍している。

 このように、軽トラックは国内の物流を支える中心的な存在だが、実質的な車種数は少ない。軽トラックの製造メーカーは、スズキとダイハツに限られるからだ。ほかのメーカーには、この2車のOEMを扱っている。

 スズキ・キャリイは、日産NT100クリッパー、マツダ・スクラムトラック、三菱ミニキャブトラックとして供給され、製造するスズキを含めると、国産車メーカー8社の内、4社が同じクルマを扱う。

 ダイハツ・ハイゼットトラックは、スバル・サンバートラック、トヨタ・ピクシストラックとして供給され、合計3社が実質的に同じクルマを販売している。

 残りの1社はホンダで、すでにアクティトラックが生産を終えた。ホンダの軽商用車はN-VANのみになる。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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