ある意味商用車の怪物! 軽やワンボックスが全盛でワゴンが下火のなか「プロボックス」が売れ続ける理由とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■いまライトバンは車種を大幅に減らしている

■それでもトヨタ・プロボックスが人気の理由を解説

■パーソナルユース需要も少なくないという

20%前後はビジネスではなくパーソナルユース!

 馴染みのある商用車でもっとも販売が好調なカテゴリーは、軽商用車のバンとトラックだ。2022年の新車販売総数は約41万台だから、国内で売られた商用車の55%が軽商用車であった。

 この次がワンボックスタイプの商用バンで、このカテゴリーは、1年間に約10万台が新車として販売されている。登録台数はハイエースが圧倒的に多く、ワンボックスバン全体の80%を占めた。

 逆にボンネットを備えた小型/普通車のバン(ライトバン)は、かつて人気が高かったが、今は車種の数を大幅に減らしている。トヨタ・プロボックスと日産AD、そのOEM車のみだ。今は前述の軽商用バンが積載性などの商品力を高めて売れ行きも伸ばしており、ボンネットバンが影響を受けた。

 それでもプロボックスは、1年間に4万台程度を販売して、根強い需要に支えられている。人気の理由をトヨタの販売店に尋ねると、以下のように返答された。「プロボックスはハイエースに比べて運転感覚が乗用車に近い。初心者ドライバーが運転する営業所などに選ばれている。背が低いから立体駐車場も使いやすく、横風に強いから高速道路の長距離移動も安心だ。たくさん販売されるのは荷室の広いハイエースだが、プロボックスも堅調だ」

 納期はどうか。「プロボックスはダイハツに生産を委託しており、ダイハツが作る乗用車のルーミーやパッソと同じく、納期が短い。2〜3カ月で納車できるから、今のトヨタ車では最短で、これも人気の理由になっている」

 そのほかに売れる理由はあるか。「最近はプロボックスを購入して、ドレスアップを楽しむお客様も増えた。実用的なワゴンとしてのニーズもあり、プロボックス全体の20%前後は、ビジネスではなくパーソナルユースになる」


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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