ある意味商用車の怪物! 軽やワンボックスが全盛でワゴンが下火のなか「プロボックス」が売れ続ける理由とは (2/2ページ)

走行距離が長い人にはハイブリッドがおすすめ

 プロボックスは2018年にハイブリッドを加えた。この売れ行きはどうか。「プロボックスは商用車だから、走行距離が伸びるお客様も多い。1年間に2万km以上を走る車両も珍しくない。そのためにハイブリッドの売れ行きも堅調で、プロボックス全体の40%くらいを占める」

 1.5リッターノーマルエンジンを搭載するプロボックスFの価格は173万9000円で、ハイブリッドFは201万4000円だ。ノーマルエンジンとハイブリッドの価格差を27万5000円に抑えた。トヨタの乗用車には、価格差を35万円に設定した車種が多く、プロボックスではハイブリッドが割安だ。他社の商品でも、マイルドハイブリッドを除くと、ノーマルエンジンとの価格差が30万円以下の車種は少数に限られる。

 プロボックスハイブリッドのWLTCモード燃費は22.6km/L、ノーマルエンジンは17.2km/Lだ。レギュラーガソリン価格が1リッター当たり160円であれば、27万5000円の価格差を燃料代の節約で取り戻せるのは、12〜13万kmを走ったころになる。

 プロボックスの場合、ハイブリッドの燃費数値があまり良くないため、取り戻せる距離が伸びた。それでも商用車とあって、1年間に2万kmを走れば約6年に収まる。走る距離が短いユーザーには、ノーマルエンジンが推奨されるが、フルに稼働させて走行距離が長くなる場合はハイブリッドを検討したい。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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