カンバンにカイゼン! ポルシェも真似したトヨタの生産方式がやっぱり凄かった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日本の自動車生産方式をを代表するのが大量生産しながら高品質を保持するトヨタ生産方式だ

■トヨタはフォードの大量生産方式を取り入れながら独自の工夫を施してトヨタ生産方式を作り上げた

■クルマをよくするという開発現場における思想がトヨタのクルマを魅力的な商品にしてきた

大量生産と高品質保持を実現するトヨタ生産方式

 日本の自動車生産方式を代表するのが、トヨタ生産方式だろう。大量生産しながら高い品質を保持することが、日本車全体にいえる世界的な価値である。トヨタの生産方式を導入することで、ドイツのポルシェも適正価格を保持しながら品質が高められ、限られた販売台数であったスポーツカーを広く海外へ販売した。

 自動車の量産を世界で最初に手がけたのは米国のフォードだ。それまで、ドイツではじまった自動車生産は、欧州では一台一台順番に完成車まで職人が作り上げる手法であり、量産することが難しかった。したがって車両価格も高かった。まさに富裕層のための乗り物だった。

 ヘンリー・フォードは、自動車がゆくゆくは庶民にも買えるものになることを目指し、またそれによって販売台数を伸ばすことで業績を高められると考えた。そこで、熟練技術を持たない工員でも、簡単な作業を繰り返し、それを順に次の工程へ手渡ししていくことで大量生産する手法を考えた。これが、世界へ波及することになる。

 トヨタも、第二次世界大戦の前から米国へ視察に行き、大量生産を学んだという。しかし、まだ創業期の日本の自動車産業にそのまま採り入れることは難しく、独自の工夫が凝らされた。それが、トヨタ生産方式だ。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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