車内に運転者がいてすぐに動かせても「駐禁」で取り締まられる! 勘違いしがちな「駐車違反」の中身

この記事をまとめると

■「運転手が乗っていても駐禁で取り締まります」などと書かれた看板を見かける

■実際に車内に人が乗っていても違反になるのだろうか?

■道路交通法第二条十八項などの内容をもとに解説

車内に人が乗っていても違反になる!

 最近、都内で見かける看板が「運転手が乗っていても駐禁で取り締まります」というもの。標識ではなくて、各警察が路肩に独自に置いているもので、駐車が多い繁華街を中心によくある。そもそも駐車禁止の認識としては「乗っていれば大丈夫だろう」というのはあるが、実際に違反になるのだろうか?

 教習所で習った法律的な駐車の定義に「運転者が離れていてすぐに動かせない状態を言う」とあるので、乗っていれば取り締まられないと思ってしまっている人は多いと思う。たしかにすぐに動かせれば問題ないように思えるが、道路交通法第二条十八項を見るとその前に「継続的に停止すること」も駐車に当たるとしている。それゆえ禁止の場所に継続的に止まっていればそれだけで違反になる。

 条文には「貨物の積み下ろしでの停止で5分を超えない」とあるので、5分以内なら駐車禁止の対象にならないと思ってしまっているのではないだろうか。このようにひとつずつ項目を見ていくと、結局は路肩に停止してボーッとしたり、スマホをいじったりしているのは、取り締まりの対象になるということがわかる。つまり、駐車禁止の場所に止まり続けることは基本的に駐車禁止違反になるということで、運転手がいるかいないかは関係ない。

 さらに勘違いに輪をかけたのが、駐車監視員による取り締まり。見たことあると思うが、彼らは車内を覗き込んで誰かいればそのままスルーしてしまう。宅配便のトラックが荷物を届けている間、助手席に座っているバイトがあるが、実際にその状態であれば駐車監視員はそのまま行ってしまうので、これまた誰か乗っていれば駐禁は回避できると思ってしまう。

 じつはこの部分も勘違いが多い。彼らは「放置駐車違反金制度」で業務を行なっている。放置駐車とはつまり、誰も乗っていない放ったらかしの状態で、駐禁とはまた意味合いが異なる。誰か乗っていれば放置ではないので、確認できればスルーしてしまうのだ。結局のところ、駐車禁止の場所では荷物や人を乗せたり下ろしたりする以外はできないわけで、駐車場に入れる必要があるということになる。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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