ついに中古車価格の高騰に歯止め! 異常高騰の理由と価格が落ち着いたカラクリ

この記事をまとめると

■異常事態となっていた中古車の価格に下落の傾向が見えてきた

■新車の納期が改善され、下取り車という形で中古車が出てきたことで中古車価格も落ち着いた

■一部の希少な旧車は投資目的で買い漁られた結果、さらに高騰する車種が出てくる可能性もある

新車の納期改善で中古車の価格が落ち着く

 台数限定のプレミアムな車両であったり、すでに絶版となっているクラシックカーであるならまだしも、現行モデルのラインアップに並んでいる車種であっても高値安定となっていた中古車。なかには新車価格を超えるプライスが付けられていた車種もあったのを目の当たりにした人も多いことだろう。

 そんないわば異常事態となっていた中古車の価格だが、ここのところ下落の傾向となっており、中古車が中古車らしい価格になりつつあるのだ。

 そもそも一般的な車両の新古車がプレミア価格となっていたのは、半導体不足や物流の停滞など、さまざまな外的要因によって新車の納期が長くなっていたことが最大の原因であり、そんななかで少しでも早く新車が欲しい! という人をターゲットに新車価格を上まわる値段が付けられていた。

 つまり、“納期をお金で買う”という状況となっていたのだが、ここへきてトヨタを筆頭に各メーカーとも納期の短縮に拍車がかかってきており、わざわざ余計なお金を払わなくてもよい状況となりつつあるため、新古車の異常な価格が落ち着きを見せてきたというワケなのだ。

 そして、新車の納車が順調に行われるようになると、下取り車という形で中古車も定期的に生まれることになる。コロナ禍に入ってからは密を避けるために中古車の需要が高まったのだが、それも落ち着きをみせつつあるため、圧倒的に需要のほうが高かった状況も解消されてきているのも要因のひとつだろう。

 また、一部の旧車などは海外からの需要もあり、まさに桁違いのプライスとなっていたが、これは本当に乗りたい人だけでなく、コロナ禍で余暇にお金を使えなくなった一部の富裕層が、投資目的も含んで手を出したということもあり、こちらも若干ではあるが価格に落ち着きを見せつつある。

 とはいえこのような趣味性の高いクルマたちは常に一定数の需要があるため、価格が下がるとはいってもコロナ禍前の水準以下になることはなさそうで、むしろ投資家に荒らされてしまった結果、良質な車両が失われ、さらなる高騰をみせる車種が出てくる可能性もありそうだ。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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